不順な天候はいつまで続く?
東京の気温は今後、徐々に高くなる見通しだが、発達した雨雲が発生しやすい状況は来週前半(23日)まで続く可能性がある。300hPa天気図から天気のターニングポイントをみた。
東京は5日ぶりの真夏日
18日、東京は5日ぶりに気温が30度を超えました。これまでオホーツク海高気圧からの冷たく湿った東寄りの風が吹き込んでいましたが、18日は久しぶりに南寄りの風に変わりました。天気が変わる兆しなのでしょうか?
こちらのグラフは東京が梅雨明け(7月19日)してからの平均気温を平年と比べたものです。気温が平年より高い日を暖色に、平年より低い日を寒色で表現しています。
すると、暖色と寒色が交互に並んでいることがわかります。平年と比べることで、気温がどのように変化しているのかが理解しやすくなります。
これまで気温の低い日が続いていましたが、このグラフの傾向から、今後は気温が高くなる可能性があると推測できます。
記録的短時間大雨情報と300hPa天気図
18日頃が気温のターニングポイントとしても、不順な天気はいつまで続くのでしょう?この先の天気を知る方法を考えてみました。
18日は岐阜県に相次いで記録的短時間大雨情報が発表されました。台風5号以来の規模です。7月以降、全国では九州北部豪雨を含めて、記録的短時間大雨情報がのべ72回発表されました。
発生回数を棒グラフにしてみると、多いとき、少ないときがあることがわかります。
ここから先はやや専門的な話です。
短時間に降る猛烈な雨は非常に発達した雨雲によって起こります。この雨雲は下層の湿った空気と上空の冷たい空気が合わさったときに発生するため、どちらも不安定な天気を知る重要な要素です。
そこで300hPa天気図から、日本列島に寒気が流れ込む様子をみてみました。300hPa高度(折れ線グラフ)が低くなったとき(黄丸)=寒気が流れ込んだときに記録的短時間大雨情報の発表回数が多くなっています。
これを応用してみましょう。
今、朝鮮半島の北に寒気があり、日本列島には高気圧の縁に沿って湿った空気が流れ込んでいます。発達した雨雲が発生しやすい気象条件です。
今の予想では寒気が日本列島から遠ざかり、湿った空気の流入が弱まるのは来週23日(水)頃とみられます。
それまでは天気の急変が起こりやすい気象条件が続くため、短時間に降る激しい雨に注意が必要です。
【記録的短時間大雨情報の発表回数は8月18日午後4時現在のものです。】