防御率6点台の投手を1年1300万ドルで手に入れ、ローテーションに加える。その狙いはどこにあるのか
ニューヨーク・メッツは、来シーズンのローテーションに、ルイス・セベリーノを加えるようだ。ESPNのジェフ・パッサンによると、1年1300万ドルに最高200万ドルのパフォーマンス・ボーナス(出来高)がつく契約で合意に達したという。
これまで、セベリーノは、ニューヨーク・ヤンキースで投げてきた。今シーズンは、先発18登板とリリーフ1登板で計89.1イニングを投げ、防御率6.65。この防御率は、80イニング以上の172人中、7番目に高かった。加えて、FIPも6.14と高く、こちらはワースト4位に位置した。FIPは、フィールディング・インディペンデント・ピッチングの略。ざっくり説明すると、守備の要素をできる限り排除した防御率だ。
ただ、昨シーズンは、先発19登板の102.0イニングで防御率3.18とFIP3.70。2017~18年は、いずれも190イニング以上を投げ、2017年は防御率2.98とFIP3.08、2018年は防御率3.39とFIP2.95を記録している。スタットキャストによると、今シーズンの4シームは平均96.5マイル。年齢は、来年2月で30歳だ。健康さえ維持できれば、復活の可能性はあるはず。出来高と合わせて1500万ドルを支払うことになっても、メッツには安い買い物になり得る。
また、セベリーノとの契約は、手始めといったところだ。メッツのローテーションは、セベリーノが加わっても、整備されたとは言い難い。現時点で確定しているのは、千賀滉大、ホゼ・キンターナ、セベリーノの3人だろう。
来シーズンがメジャーリーグ4年目となるタイラー・メギルは、これまでの3シーズンとも、防御率4.50を下回ったことがない。ジョーイ・ルケイシーとホゼ・ブートーは、今シーズン、防御率2.89と防御率3.64ながら、どちらも50イニング未満だ。しかも、ルケイシーの奪三振率は、6.17に過ぎなかった。デビッド・ピーターソンは、今月初旬に腰の手術を受け、開幕から2ヵ月は出遅れる見込みだ。
メッツは、ここから、少なくともあと1人、できれば2人の先発投手を手に入れたいと考えていると思われる。そのターゲットには、山本由伸(オリックス・バファローズ)も含まれているはずだ。