大谷は代打の神様?! 代打打率は4割超えで、OPSは驚異の1.389
相手先発投手がサウスポーの試合では先発ラインナップを外されることの多いロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。左投手でも大谷をラインナップに残すべきとの声は多いが、代打で打席に立ったときに打率.444、出塁率.500、長打率は.889で、出塁率と長打率を足したOPSが驚異の1.389を記録している大谷を代打の切り札としてベンチに残しておくのも1つの手だ。
前半戦の大谷の成績は右投手相手に打率.324、7本塁打、OPS1.022と結果を残しているのに対して、左投手相手には打率.167、0本塁打、OPS.508と明らかに分が悪い。
日本では左投手を苦にすることなく、右投手よりも左投手相手の方が打率が良かった年もあるので、「日本では左投手も打ってきたので、何も心配していない」とマイク・ソーシア監督が口にしたように、大騒ぎする必要はない。
左投手が先発の試合で大谷がラインナップから外れると、エンゼルス打線の得点力も下がってしまうが、それでも大谷をベンチに温存しておく効果が小さくない。
それは非常に高い集中力を誇る大谷が、代打として最高の結果を残しているからだ。
今季のアメリカン・リーグの平均代打打率は.193で、エンゼルスに至っては.158と全く結果を残せていない。エンゼルスは63回代打に送って、9安打、5四球だが、この中の4安打、1四球は大谷によるもの。大谷を除くとエンゼルスの代打打率は.104まで下がってしまうほどにベンチに頼りとなる打者が不在だ。
大谷の代打で4安打はアメリカン・リーグでは3位タイの数字で、代打として9打数以上木記録している打者の中では打率が2位、長打率とOPSではトップに立っている。
ソーシア監督は「サンプル数が少なすぎる」と対左投手相手の大谷の低打率を気にしていないと言うが、代打での好結果はもっとサンプル数が少なく、偶然と片付けてしまうこともできる。
また、ここぞと言うチャンスで大谷を代打で起用するには、別の問題が発生する。メジャーでは大谷は守備に就かないために、大谷を代打で起用すると、他の野手を守備に就かせる必要が発生して、1打席のために2人の野手を使わなくてはならない。
代打の切り札としてベンチに残しておくのと、左腕相手でも先発起用するのと、どちらがチームの勝利に貢献できるのか?
「シーズン後半は左投手との対戦回数を増やしていく」と言うソーシア監督は、どのような起用法をするのか?
今日、7月20日(日本時間21日)から後半戦が始まるが、初戦のアストロズ戦は2015年にサイ・ヤング賞に輝いたサウスポーのダラス・カイケルが先発する。
この試合でラインナップに入るかどうかが注目される。