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ポストシーズンの「4試合で長打8本」は松井秀喜と並ぶ史上最多。この他にも…

宇根夏樹ベースボール・ライター
キーケー・ヘルナンデス(左)とアレックス・バーデューゴ Oct 15, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月15日、ボストン・レッドソックスは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦に敗れた。だが、キーケー・ヘルナンデスの勢いは止まっていない。2本のホームランを含む4安打を記録し、センターの守備ではダイビング・キャッチも披露した。上の写真は、その直後だ。

 ワイルドカード・ゲームは3打数1安打、ディビジョン・シリーズ第1戦は4打数0安打だった。キーケーが打ち始めたのは、その後だ。ワイルドカード・ゲームで記録した補殺も、キーケーからの送球を受け、ホームへ投げたザンダー・ボガーツの働きが(どちらかと言えば)大きかった。

 ディビジョン・シリーズ第2戦は「ポストシーズンの「1試合5安打」は10人目、「1試合4長打」は5人目。同じ試合は松井秀喜に続く2人目」で書いたとおり、長打4本を含む5安打。第3戦もホームランを含む3安打を記録し、第4戦は4打数1安打ながら、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出を決めるサヨナラ犠牲フライを打った。

 ここまでのポストシーズン6試合は、28打数14安打(打率.500)、ホームランと二塁打が4本ずつ、8打点だ。直近の4試合、ディビジョン・シリーズ第2戦からリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦までに限ると、21打数13安打(打率.619)になる。ホームランと二塁打、打点は、その前の2試合を除いても変わらない。MLBスタッツ(MLB.com)によると、1度のポストシーズンにおいて、4試合のスパンで長打8本は、2004年の松井秀喜と今年のキーケーしかいないという。松井は、2004年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦~第4戦に、ホームラン2本と三塁打1本、二塁打5本を記録した。

 また、ESPNスタッツ&インフォも、キーケーがポストシーズンの記録をいくつか打ち立てたとツイートしている。それによると、通算3度の1試合10塁打以上は新記録、1番打者が1試合にホームラン2本を含む4安打は史上初、1度のポストシーズンで複数の1試合4安打以上は史上4人目、だという。

 キーケーの1試合10塁打以上は、最初が2017年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦(ホームラン3本/4塁打×3=12塁打)、2度目が今年のディビジョン・シリーズ第2戦(ホームラン1本と二塁打3本と単打1本/4塁打+2塁打×3+1塁打=11塁打)、3度目が今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦(ホームラン2本と単打2本/4塁打×2+1塁打×2=10塁打)。その2度目と3度目が、1試合4安打以上(5安打と4安打)だ。

 なお、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦に勝利を収めたヒューストン・アストロズでは、ホゼ・アルトゥーベカルロス・コレイアがそれぞれポストシーズン通算20本目と18本目のホームランを打ち、マイケル・ブラントリーはポストシーズンの連続試合安打を継続させた。これらの記録と彼らのランキングについては、シリーズが始まる前にこちらで書いた。

「史上4人目の「ポストシーズン通算20本塁打」に到達するのは…。出場中の2人はあと1本」

「ポストシーズンの連続試合安打。この選手は史上最長まであと2試合。元・東京ヤクルトのあの選手も…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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