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地元ファン激怒!? カンザスの捕手が「スーパーボウルでカンザスのチームを破ったQB」のジャージを着る

宇根夏樹ベースボール・ライター
サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)Apr 17, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月19日、カンザスシティ・ロイヤルズの正捕手、サルバドール・ペレスは、いつもと違う格好で本拠地のフィールドに現れた。タンパベイ・バッカニアーズのQB(クォーターバック)、トム・ブレイディのジャージを着て、試合前の打撃練習に臨んだ。

 ドロシーがそこにいれば、「サルビー、ここはカンザスなのよ」と言ったかもしれない。バッカニアーズは2月に行われたスーパーボウルでカンザスシティ・チーフスを破り、ブレイディはMVPに選ばれた。

 ベネズエランのペレスは、15年前にロイヤルズへ入団した。以来、一度も移籍したことはなく、3月には4年8200万ドルの延長契約を交わした。それについては「オールスター捕手が球団史上最高額の契約をゲット。各球団の最高額は? 次に球団記録を塗り替えるのは?」で書いた。また、チーフスのQB、パトリック・マホームズは、ロイヤルズのパート・オーナーでもある(父のパット・マホームズは、メジャーリーグの6チームと横浜ベイスターズに加え、2006年はロイヤルズ傘下のAAAでも投げた)。

 にもかかわらず、ペレスがブレイディのジャージを着た理由はこうだ。ペレスは、タンパベイ・レイズの外野手、ブレット・フィリップスと賭けをした。

 スーパーボウルでバッカニアーズが勝った場合は、レイズとロイヤルズがカンザスシティで対戦する際に、ペレスが打撃練習でバッカニアーズのジャージを着て、チーフスが勝った場合は、フィリップスがチーフスのジャージを着る――。

 フィリップスは、2018年の夏から2020年の夏まで、ペレスとチームメイトだった。フィリップスはレイズに在籍しているだけでなく、レイズとバッカニアーズの本拠地の近くで生まれ育った。

 バッカニアーズのジャージを着たペレスは、打撃練習を終えた直後に、左手の人差し指を振りながら言った。「パトリック・マホームズがベストさ!」

 こうした「賭け」は、過去にも行われている。その一例については、こちらで書いた。

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 なお、ブレイディがバッカニアーズに入団する前には、こんなこともあった。

ペイトリオッツを退団後、ブレイディはベースボールの球団からも誘われていた

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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