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堀田真由 ヒット作への出演が続く、最注目の若手女優が「どうしても出たかった」初ヒロインドラマとは?

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/フジテレビ

注目の若手俳優が集結したFODドラマ『いとしのニーナ』でヒロインを演じる

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現在FODで配信されている、人気漫画家・いくえみ綾原作の同名のドラマ『いとしのニーナ』(毎週月曜0時最新話配信/全8話)が話題だ。『あなたのことはそれほど』『G線上のあなたと私』、そして映画『潔く柔く』など、これまでその原作の多くがドラマ化、映画化されているいくえみの、「拉致った」という不穏な言葉から始まる人気ラブストーリーに、岡田健史、堀田真由、望月歩、笠松将、長見玲亜等注目の若手俳優が集結。ヒロイン役の、今最も忙しい女優の一人・堀田は以前からいくえみ作品の大ファンということで、その演技にも力が入る。そんな堀田にインタビューし、このドラマへの意気込み、そして「難しかった」という、ヒロイン・ニーナを演じてみて感じた思いを聞いた。

ヘタレな高校生・外山厚志(岡田)と、誰もが憧れる美しい女子高生ニーナ(堀田)。ある日突然厚志の幼なじみ・マサ(望月)が起こしたニーナの「拉致事件」から物語は始まった――。事件の首謀者である牛島(笠松)からニーナを守るため、ボディガードを務めることになった厚志の、不器用だが真っすぐなラブストーリーを描く。 

「名前がその作品のタイトルになっている役にずっと憧れていました」

青田新名(堀田真由)
青田新名(堀田真由)

「以前からいくえみさんの作品が大好きで読んでいました。そんな自分が、タイトルにもなっている“青田新名”というヒロイン役をやらせていただくことになって、とにかく嬉しくて、とても贅沢な時間になりました。でも原作ファンの方々の期待にも応えなければいけないという思いも強くなりますし、お芝居でどこまで納得していただけるものを作り上げることができるか、キャスト、スタッフの皆さんに協力していただきながら、自分なりに役に息を吹き込ませていきました。まだ原作を読んでいらっしゃらない方にも、ドラマを観て原作を読んでみようと思っていただきたくて……」。

堀田はこのドラマへの出演オファーをもらった時、TBS系の人気ドラマ『恋はつづくよどこまでも』に、菅野海砂役で出演中だったが、「タイトルになるくらい、ニーナは原作のいくえみさんにも愛されているキャラクターだと思うので、私自身そういう作品をずっと望んでいて。例えば、『ドラえもん』とか『となりのトトロ』とか、タイトルになっているキャラクターってやっぱりずっと愛される存在だと思いますので、いつか演じてみたいと憧れていました。だからオファーをいただいた時はすごく嬉しかったですし、しっかりやり遂げたいという思いが強かったです」と快諾し、撮影が重なる時期もあったが、懸命にニーナを“追求”していった。

ニーナの厚志に対する気持ちの変化を表現する、堀田の繊細な演技がドラマの見どころのひとつ

監禁、レイプ未遂、加害者、被害者という重いキーワードが出てくるシリアスさもありつつ、コミカルな部分も多く、厚志とニーナの“距離”はもちろん、全ての登場人物の悩み、葛藤、「個」の部分も丁寧に描いているラブストーリーだ。監禁から救い出してくれた厚志に、ニーナが「ボディガードになって」と言うところから、物語が動き始めるが、回を追うごとに微妙に変化していくニーナの繊細な心模様を表現する堀田の演技は、見どころのひとつだ。

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「1話から8話の中で、ニーナの厚志に対する気持ちがどんどん変わってくるので、その中で最初は被害に遭った私の気持ちをあなたにもわかって欲しい、懲らしめるという意味でボディガードになって欲しいって言ったのだと思います。そこは二人の関係性ができあがってからも、被害者という部分では、厚志の友達がやらかしたことではありますが、相手を許していないと思います。だからあなたにもこの気持ちをわからせたいと思ったのだと思います。でもそこから側にいても害のない相手かなって変わっていって、もしかしたら側にいてほしいのかな、そうするとあれ?この人私にとって大切な人なのかって、彼女の中で厚志の存在がどんどん変化していくんだなって捉えていました。厚志の心の声が、映像の中で文字として出てくるので、それが効果的になるように、全部に意味を持たせることができるように、細かい表情、演技を心がけました。初めてこの作品を読んだときは、“拉致”という言葉にどこか非現実さを感じました。でも読み進めていくうちに、人と人が生きていく中で、形や方法は違えど互いに傷つけ、許し合う、そんな人間の儚さと強さを痛感しました」。

「みんなで成長していく物語なので、どのキャラクターにフォーカスを当てても面白いと思います」

このドラマは、心に傷を負ったニーナがどう立ち直っていくのか、ということにスポットを当てつつも、同時に厚志もマサも牛島にもそれぞれ抱えてる悩みや葛藤があって、そこからどうやって各々が次への一歩を踏み出すのか、ということを描いていて、清々しい後味を残してくれる。

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「学生時代に感じる、本当にモヤモヤした青春時代に抱える悩みをリアルに描いてくれるのが、いくえみさんの作品ならではだと思います。この作品は、みんなで成長していく物語なので、どのキャラクターにフォーカスを当てても面白いと思います」。

『3年A組~』『恋つづ』『エール』など注目作への出演が続く。「なんでこんなにギャップがある役が多いのかなって、不思議に思うこともあります」

冒頭でも触れたが、堀田は今最も忙しい女優のひとりだ。『恋はつづくよどこまでも』では小児科の看護師・菅野海砂役、NHK連続テレビ小説『エール』では、男性たちから絶大な人気を誇るダンスホールの踊り子・志津の演技も、話題を集めた。これまではエキセントリックな役をはじめ、どちらかというと等身大というよりも“突き抜けた”難しい役どころが多かった気がする。それは制作サイドの期待の大きさなのだろうか。本人はどう感じているのだろうか。

「結構二面性があるような役が多いですし、でも演じている側からするとすごく楽しいです。例えば強いイメージがある人が強いことを言うと、本当にその役が嫌われてしまうから、そう見えない人に強い言葉を発して欲しいって言われた時に、なるほど、その役割を果たしたいと思いました。確かにやっていて楽しいですけど、私も『なんでそんなにギャップがある役が多いのかな』って不思議に思うこともあります(笑)。特にニーナは色々なギャップがある女の子だったのでそう感じました。等身大ではない役の方が、仕事とプライベートの切り替えも簡単にできると思うし、自分と近くないので現場に立っていても、恥じらいのようなものも全くないです。それこそ等身大の役をやるとなると、すごく自分が出てしまうのでは?とか、自分そのものでは?という疑問が出てきたりするかもしれないですね」。

ドラマ以外にも、『non-no』専属モデル、「ゼクシィ13代目CMガール」etc…今、最も忙しい女優のひとり

この春からは雑誌『non-no』(集英社)の専属モデルとしても活躍し、さらに「ゼクシィ13代目CMガール」にも就任し、清楚な中にもかわいらしさと凛とした空気感を感じさせてくれるそのキャラクターは、同性からの支持も高い。

「ずっとお洋服は好きでしたし、服装って自分自身を表すもの、私はこういう人間ですって表せるので、この世界に入ってから雑誌のお仕事も増えてきて、もっともっと好きになりました。ゼクシィのCMは、相手役がアミューズのオーディションの同期でもあり、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日テレ系)でも共演した鈴木仁さんということもあって、自然に入り込むことができて、ナチュラルに演じる事ができたと思います。もしかしたら等身大の自分に近いのかもしれません」。

その凛とした部分は、10年間続けていたバレエを通して培った部分が、自信となって滲み出ているのだろうか。そんな彼女の鮮やかなダンスは、注目のシンガー・ソングライター崎山蒼志の「国」(2018年)のミュージックビデオで観る事ができる。曲の雰囲気に合わせて自ら考えたというそのしなやかなダンスは、楽曲をより印象的なものにしている。

堀田真由という女優に、視聴者もそして作り手も夢中になっている。

『いとしのニーナ』オフィシャルサイト

堀田真由 アミューズオフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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