上司が部下にピシャリと言う技術 ~「2文字」あればピシャリと言える
明らかにできることなのに、「無理です」「難しいです」と言う部下がいます。いっぽうで、最初は「やる」と言っていたのに、途中で尋ねてみると「まだできていません。期限を延長してもいいですか」「これって本当にやる意味があるんですか」などと言う部下もいます。
このような部下に対して、あなたはどのような声を掛けるでしょうか。確実に「ノー」を突き付けられるでしょうか。明らかにできることなのに、「本人が無理だと言っているのだから、ムリヤリさせるのはいけない」「難しいと言っているのだから、もっと簡単な仕事を任せるか」と思いなおす上司がいたら、優しさの欠片もありません。
精神的に問題があるわけでもなく、能力が足りないわけでもなく、明らかに可能なことなのに、部下が「無理です」と言うケースは、条件反射で言う「クセ」がついているだけです。その悪癖を許容することは思いやりではありません。上司もまた同様に、「クセ」で対抗しましょう。ピシャリと言う「クセ」です。
相手にピシャリと言うためには、以下の3つのポイントを頭に入れましょう。
●理由や目的を添えない
●文章ではなく単語で返す
●2文字で十分
「私は君の将来のことを考えて言ってるんだ」「この仕事をすることでお客様への付加価値がアップするんだ」などとイチイチ理由を探して言わないことです。明らかにできることだと上司が判断しているのなら。
理由や目的を添えることで、「これをすることで私の将来がどうなるんですか?」「お客様への付加価値をアップさせたいなら、他のやり方もあると思います」などと反論の余地を与えることになります。
また、文章ではなく単語で返しましょう。ピシャリと言うわけですから、長ったらしい文章ではピシャリにはなりません。「2文字」で充分です。基本は「ダメ」「無理」「ない」の3種類です。
「私よりも他の人のほうが、プロジェクトのリーダーにふさわしいと思うのですが」
「ダメ」
「この資料の提出期限を来週にしてもらえないでしょうか」
「無理」
「今さらですが、この目標を達成させることは難しいので、下方修正させてもらう余地はありませんか」
「ない」
「アホ」「バカ」も2文字であるし、ピシャリと言う表現に当てはまりますが、さすがにお勧めできる表現ではないので、「ダメ」「無理」「ない」の3種類を覚えましょう。
繰り返しますが、明らかに部下ができることなのにウダウダ言ってくるケースに限ります。