Yahoo!ニュース

韓国「飛行機着陸前ドア開放犯」 巨漢男の犯行の背景に失業と失恋か 「息苦しくて早く降りたかった」

26日に韓国の大邱空港で起きた「アシアナ便着陸直前非常口開放事件」。容疑者の33歳「巨漢男」の供述が明らかになってきた。

容疑者は航空保安法違反事件にて大邱東部警察署に身柄拘束され、現在取り調べのために期間延長が要請されている状態。韓国警察側が韓国メディアに向け証言内容を公開している。

「最近失業した後、ストレスを感じていた」

「飛行機の着陸前に息苦しくて早く降りたかったので、出入り口を開けた」

済州島在住のA氏は長期間の失業生活を送り、精神状態が悪化しているという。さらに複数の韓国メディアは「この便に登場する直前に彼女に別れを告げた」とも報じている。

これらを総合すると「ヤケから起こした犯行」というところか。

本人は当初、「ドアを開いた」と犯行だけを認め捜査に協力していなかった。しかし次第に犯行動機を明かす様子が見受けられており、自身の行為に対して後悔の念を抱く様子も見せているという。

もちろん上空213メートルの位置で非常口を無理やりこじ開けた行動の代償は大きい。

194人の乗客から今のところ死者は出ていないが、9人が呼吸困難や心理的ショックを訴え緊急輸送された。トラウマを訴える乗客もいる。40歳の男性は「朝鮮日報」の取材にこう答えている。

「突然の事故により飛行機から空気が抜けたような感じがした。機内に紙のようなものが飛び散り、圧力に押し込まれ、叫び声が上がり、混乱状態になった」

さらに上空で非常口を開いた際に、容疑者の男性が取り押さえられた様子も明らかになっている。乗客と思われる男性がネット掲示板に書き込んだ事件当時の詳細を「朝鮮日報」などが報じている。

「非常口が開いた瞬間に女性の乗務員4人が取り押さえようとしましたが、容疑者の体格が大きく制圧が困難だった。しかし、40代と思しき勇敢な男性乗客2人が容疑者を引き上げ、彼の身動きを封じることに成功した。男は185センチで120キロ(以下に着陸後取り押さえられた写真)はあったと思う。なぜなら自分が自分自身が183センチ100キロなので分かる。自分より一回り大きかった」

航空保安法違反によりA氏は逮捕され、航空会社から約10億ウォン(約1億円)の損害賠償を求められる見込み。また韓国の航空保安法では、乗客が出入り口や脱出口、機器の操作を行うことは禁止されており、違反した場合には最大で10年以下の懲役刑が科される。

複数の韓国メディアは「上空350メートル以上だと気圧で非常口は開かないが、事件当時は213メートルだったため、力の強い男性がこじあけられた」としている。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

吉崎エイジーニョの最近の記事