なぜレアルはリーガで“独走”しているのか?ベンゼマとヴィニシウスの爆発...迫るパリとの大一番
首位の座を、確固たるものにしている。
レアル・マドリーは、リーガエスパニョーラ第27節でレアル・ソシエダと対戦した。先制点を許したが、ゴールラッシュで逆転して2位セビージャに勝点8差をつけて順位表のトップに立っている。
現地時間9日には、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦セカンドレグが控えている。アウェーで行われたファーストレグでは、パリ・サンジェルマンに0−1と敗れた。マドリーとしては、ラウンド突破に逆転が必要な状況だ。
■前線の得点力
マドリーはリーガで首位を独走している。その大きな要因は、前線の得点力だ。カリム・ベンゼマとヴィニシウス・ジュニオール。今季、この2選手が爆発している。
ベンゼマ(公式戦32試合27得点12アシスト)、ヴィニシウス (36試合16得点12アシスト)とマドリーの多くのゴールがこの2選手から生み出されている。
また、現在のマドリーはベンゼマとヴィニシウスがストップされた時にも繰り出せる武器を備えている。マルコ・アセンシオだ。
カルロ・アンチェロッティ監督は今季序盤戦でアセンシオをインサイドハーフで試していた。ガレス・ベイル、エデン・アザール、ロドリゴ・ゴエスと右ウィングのポジション争いが激化していたからだ。リーガ第6節、マジョルカ戦では、インサイドハーフで起用されたアセンシオが覚醒した。ハットトリックの大暴れで、6−1の勝利に貢献したのだ。
だがベイル、アザールが度々負傷離脱を強いられ、最終的にはアセンシオのポジションが右ウィングに定まった。今季、アセンシオは30試合10得点1アシストを記録しており、充実の時を過ごしている。
■盤石の中盤の存在
アセンシオがウィングになった理由は、もうひとつある。盤石の中盤の存在だ。カゼミーロ、トニ・クロース、ルカ・モドリッチ。この3選手が、アンチェロッティ監督からも絶大な信頼を得ている。
2016年にジネディーヌ・ジダン監督が指揮を執るようになって以降、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントで、32試合中26試合でカゼミーロ、クロース、モドリッチがスタメンに名を連ねている。
さらに、3人のうち2人を欠いた試合は、1試合のみだ。2017−18シーズン、奇しくも相手はパリ・サンジェルマンだった。その試合では、カゼミーロ、マテオ・コバチッチ、アセンシオ、ルーカス・バスケスが中盤に組み込まれた。
今回のパリSG戦では、累積警告でカゼミーロが欠場。クロースが負傷中で出場が微妙な状況だ。エドゥアルド・カマヴィンガ、フェデリコ・バルベルデ、ダニ・セバージョス、イスコらがモドリッチと共に中盤を務めることになるだろう。「システムチェンジを考えてはいない」と語ったアンチェロッティ監督の言葉を信じるなら、【4−3−3】で挑むと想定される。
「ソシエダ戦で、我々は良いプレーを見せた。前線からプレッシングを行おうと思っていた。それが我々のプランだった。こういったプレーができれば、パリ・サンジェルマンとの試合でも可能性が広がる」とはアンチェロッティ監督の弁だ。
「リーガで他のチームに対してアドバンテージ を得るため、ソシエダとのゲームは重要だった。選手たちはそれをよく理解していた。我々はモチベーションに満ちていた。こういったプレー強度を、いつも見せなければいけない。それが、ファンの求めているものだ。次のゲームでも、こういったプレーができるはずだ」
「すべてのマドリディスモが、逆転を信じている。ソシエダ戦を終えて、それはより強くなっただろう。サポーターに挨拶に行こうと言い出したのは、選手たちだった。パリとの一戦は、サポーターの応援が不可欠になる」
直近のレアル・ソシエダ戦では、ミケル・オジャルサバルにPKでゴールを許した後、4得点を奪い大勝した。試合後、選手たちがサポーターの下に挨拶に向かうと、「すべては可能だ!」の大合唱が起こった。
ファーストレグでは、終了間際にキリアン・エムバペに決勝点を沈められた。エムバペの圧巻の決定力を見せつけられた格好だった。
だが、スコアは0−1である。アウェーゴールが2倍になるというルールも撤廃されている。マドリディスタは、逆転の可能性を現実的なものとして捉えている。