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【京都】拷問部屋で何が? 新選組ゆかり「東の蔵」初公開に行ってみた

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。

今回は第48回「京の夏の旅」で初公開となる旧前川邸「東の蔵」について紹介しましょう。幕末や新選組に興味のある方なら「マジかー!」と驚くのではないでしょうか。

ここは京都市中京区、壬生寺のスグ近く。

壬生(みぶ)と言えば、京の治安維持に活躍した新選組ゆかりの地。文久3年(1863年)清河八郎が京へ率いた浪士組を壬生にある新徳寺に集め、尊皇攘夷を目的とする反幕勢力に変化させようとの策略を演説したことに始まります。

これに反発した近藤勇らが、江戸に引き返した清河らと決別し、「幕府権力の維持」を目指して立ち上げた集団が「壬生浪士組」、後の「新選組」です。

今回の「京の夏の旅」では、結成160年を迎える新選組にあわせた「新選組ゆかりの地」と「夏に訪ねたい世界遺産の社寺」をテーマに9箇所で実施されます。

「京の夏の旅」とは?
「京の夏の旅」は、桜や紅葉といった自然の魅力だけでなく、夏の時期に文化財や伝統文化・産業などの奥深い京都の魅力が楽しめるキャンペーン。
第48回「京の夏の旅」では、新選組結成160年&世界遺産をテーマに、通常非公開の建築・仏像・庭園などの文化財が期間限定で特別公開されています。
<開催期間> 2023年7月8日~9月30日 
<時間> 10:00~16:30(16:00受付終了)
<料金> 大人 800円/小学生 400円 ※詳細はオフィシャルサイトにて
<主催> 京都市・公益社団法人京都市観光協会
⇒ 京の夏の旅/京都観光オフィシャルサイト(外部リンク)

特別公開の中には一度見逃すと…次はいつ見られるか分からない「初公開」など、貴重なスポットがあります。是非、チェックしてみて下さい。

あの拷問部屋が初公開!旧前川邸「東の蔵」

第48回「京の夏の旅」で、特に注目すべきは旧前川邸「東の蔵」でしょう。

幕末を舞台にしたドラマやアニメで登場する有名なシーンの一つ、”鬼の副長”として恐れられた土方歳三による古高俊太郎(攘夷派の志士)への拷問が行われた場所。つまり池田屋事件の端緒となったとされるトコロです。

「まさか、あの拷問に使われた蔵が現存していたなんて…」

そう驚く方もいるのでは? なぜなら、この蔵は ”開かずの間” とされ、一般公開されることが無かったから。そう、まさかまさかの初公開なのです。
(※開かずの間と言っても、調査で学者の方が入られるなどは当然あったようです)

ところで、この蔵で一体どんな拷問があったのか?

階段をのぼり、2階へ行ってみると…

そこには天井から釣り下がる荒縄が見えます。

ちなみに、この「東の蔵」は旧前川邸の貴重品を保管するための蔵だったよう。床板の一部を外して金庫として使用できるようになっており、荒縄が梁から吊るされているのは荷物昇降用だったようですね。

さすがに、この荒縄は当時のモノではないそうですが、新選組はここにあった荷物昇降用の荒縄を拷問に利用したようです。蔵の状態はほぼ当時のままだとか…。

1864年6月5日の早朝…

京都河原町四条上ル東で新選組に踏み込まれ捕縛された枡屋喜右衛門(古高俊太郎)の邸宅から具足、弓矢、槍、長刀、火薬などが見つかります。

そして新選組の屯所として活動拠点となっていたココに連れて来られ、厳しい取り調べは次第に過酷な拷問に…。

その拷問と言うのが…

2階から逆さ吊りにされ、足の甲に五寸釘を打たれて、その釘にロウソクを立て、火をつけられるというもの。あの有名なシーンはココだったのです。

その拷問の結果、自白。

自白した内容は、御所に火を放ち、佐幕派公卿の中川宮を幽閉、京都守護職の松平容保以下佐幕派大名を殺害し、天皇を長州へ連れ去ろうとするもの。そして、この計画を阻止したのが池田屋事件とされています。

しかし、自白には応じていないとする説もあります。過酷な拷問を受け口にしたのは「古高俊太郎である」という言葉だけだったとも…。

事実は分かりませんし、諸説さまざまでしょう。ただ、大きな歴史が動いた可能性のある重要な場所ということは間違いありません。

土方歳三による古高俊太郎への拷問が行われたシーンはあまりに有名で、この点に注目が集まりますが、建物の歴史的価値もスゴイんです。

両替商を営んでいた前川家は、京都御所や京都守護職など公的機関の出納も担当しており、天保10年(1839)に完成したこの蔵で貴重品を保管していたのだとか。

地下の隠し金庫として利用されていた跡も見られます。もしかすると、ここに重要な証書や貴金属、もしかすると千両箱が入っていたのかもしれません。

また、蔵の出入り口正面と瓦に記された三重丸の刻は、前川家御所出入りの門鑑の印。貴重品保管庫として使われた蔵の扉が四重扉になっているのも注目です。

尚、売店では旧前川邸のオリジナルグッズや新選組の隊福など購入することができるので是非立ち寄ってみましょう。面白いグッズが見つかるかもしれませんよ。

その他、第48回「京の夏の旅」の新選組関連の見どころ

新選組ゆかりの寺「壬生寺」では、現存最古級の地蔵菩薩立像(重要文化財)をはじめ、新選組隊服「だんだら羽織」(復元)や「和泉守兼定」などの刀剣も特別公開されています。

新選組誕生のきっかけとなった演説の場である「新徳寺」も初公開。ココは清河八郎が浪士たちを集めて尊王攘夷の演説を行ったとされる有名な場所です。

さぁ、夏の京都に行ってみよう!

旧前川邸
住所:京都市中京区壬生賀陽御所町49
電話番号:075-585-518(京の夏の旅コールセンター)
時間:10:00~16:30(16:00受付終了)
開催日程:2023年7月8日(土)~9月30日(土)
料金:大人800円/小学生400円
参考サイト「京の夏の旅」(外部リンク)
新選組屯所旧前川邸 保存基金(外部リンク)
地図(外部リンク)
取材協力:旧前川邸、京都市観光協会

はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介したい|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|”思わずクスッと笑ってしまうような”珍スポット探し|目標は個性的でヘンテコな旅本の出版|フォローして頂けたら嬉しいです。

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