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200円でも温泉の質は抜群!「一生に一度は入浴したい共同浴場」5選(九州編)

高橋一喜温泉ライター/編集者
由布院・ゆのつぼ温泉

温泉街のシンボルともいえる存在が「共同浴場(外湯)」だ。温泉街が形成される端緒となった源泉とともに生まれ、長い歴史をもつ共同浴場も少なくない。

うれしいことに、その多くが源泉かけ流しで泉質がよく、料金も数百円と一般的な入浴料金よりもリーズナブルだ。なかには無料で開放されている外湯もある。

たとえば、予算的に厳しいときは、温泉のついていないリーズナブルな宿(民宿、ビジネスホテルなど)に部屋を確保し、そこを拠点に共同浴場に通ってもいい。また、宿の温泉の質がいまいち(たとえば循環ろ過している)であれば、湯の質が担保されている共同浴場を利用するのも選択肢のひとつだろう。

そこで、今回は温泉好きなら一生に一度は訪ねておきたい、とっておきの共同浴場を九州エリアに絞って紹介したい。別府を筆頭に、九州には共同浴場の名湯が目白押しだ。

別府温泉・竹瓦温泉(大分県)

共同浴場といえば、泉都・別府温泉郷を抜きに語ることはできない。町の至る所に共同浴場があり、市民の生活の一部として溶け込んでいる。その多くが一見客にも開放されているのがありがたい。その別府の共同浴場の象徴的存在ともいえるのが「竹瓦温泉」。風格漂う木造の建物は、まるで映画のセットのようなレトロ感が魅力。脱衣所から階段を下りた先にある素朴な湯船には、薄緑色の湯が掛け流しにされている。貴重な「砂湯」も楽しめる。入浴料300円。竹瓦温泉のほかにも、素朴な共同浴場がいくつもあるので、湯めぐりをするのも別府の楽しみ方のひとつだ。

由布院温泉・ゆのつぼ温泉(大分県)

九州でもトップクラスの人気を誇る由布院温泉。観光地としてのイメージが先行しているが、もともと源泉が豊富な温泉地で、ほとんどの温泉が掛け流しである。観光客でにぎわう湯の坪街道から少し外れた場所に、小さな共同浴場がひっそりと存在することはあまり知られていない。内湯のみの無人の共同浴場だが、ピュアな透明湯がザバザバとかけ流しにされている。温泉街散策のついでに立ち寄りたい極上湯だ。入浴料金200円

雲仙温泉・湯の里温泉共同浴場(長崎県)

標高700m、雲仙国立公園内にある温泉地。明治以降はアジア在住外国人の避暑地として栄えた高原リゾートである一方、湯煙が立ち昇る「雲仙地獄」などの荒々しい自然を間近に感じることができる。温泉街に静かに佇む「湯の里温泉共同浴場(別名:だんきゅう風呂)」は雲仙最古の共同浴場で、地元住民も通う。雲仙地獄から引いた源泉がかけ流しにされ、天候や季節によって湯の色が変わるという。入浴料金200円

屋久島・尾之間温泉(鹿児島県)

海好きにも山好きにも愛される屋久島は、野趣あふれる秘湯の宝庫だ。満潮時には海の底に沈む「平内海中温泉」、海を一望できる浜に湧く「湯泊温泉」など、海を間近に感じられる絶景温泉も人気だが、泉質については地元の人が通う共同浴場「尾之間温泉」が抜群である。10人ほどが入れる長方形の湯船には石が敷き詰められ、その隙間から湯がぷくぷくと湧き上がってくる。いわゆる足元湧出泉で、湧きたての新鮮な湯が空気に触れることなく、かけ流されている。ちょっと熱めの湯なので長くは浸かっていられないが、その鮮度は全国でもトップクラスだ。地元の人との交流も楽しい。入浴料金300円。

筌ノ口温泉・共同浴場(大分県)

人気観光スポットである「九重夢大吊橋」の近くにある筌ノ口温泉。高原に位置する静かな温泉地だ。共同浴場としてはかなり大きなサイズの湯船には、鉄分を含んだ褐色の濁り湯がザバザバと豪快にかけ流し。差し込んできた太陽の光で湯面が金色に輝いているように見える。入浴料金300円。なお、隣接する明治35年創業の老舗宿「旅館新清館」では、森の中にある露天風呂に褐色の源泉がかけ流しにされている。雑木林に囲まれた露天風呂は新緑の緑色、紅葉時期の茜色とのコントラストが見事である。

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温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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