Yahoo!ニュース

2025年こそ訪ねたい!「泉質がすばらしい混浴の温泉」5選(関東編)

高橋一喜温泉ライター/編集者

日本の温泉文化のひとつである「混浴」。時代の流れもあり、年々混浴の湯船は減るばかりだが、一方で矜持をもって混浴を守り続けている温泉地も多い。

混浴の魅力は、老若男女が分け隔てなく入浴できる点にあるが、もうひとつ大事なポイントがある。それは温泉の質が高いこと。混浴は基本的に源泉かけ流しが当たり前である。

その理由はおもに2つある。

・循環ろ過装置が主流になる前から存在するから。混浴の湯船は実質新設できないため、長い歴史をもつ。現代のように循環ろ過装置が導入される前からある湯船がほとんどなので、源泉かけ流しがデフォルトである

・源泉の近くに湯船があるから。歴史の長い混浴の湯船は、源泉が湧き出している場所の近くに湯船がつくられることが多い。そのほうが現在のようにわざわざ引湯をするより効率的だ。混浴には湯船内の足元から直接湧き出しているケースも多い。

今回は、そんな源泉の質が高い「混浴の温泉」を関東エリアに絞って5か所紹介したい。

式根島・松が下雅湯(東京都)

東京から高速ジェット船で約3時間。島内には4カ所の温泉があり、そのうち3つが海岸に面した野趣あふれる露天風呂。「松が下 雅湯」は海を見ながら気軽に入れる人気の絶景露天風呂。緑色に濁った本格的な温泉は源泉かけ流しだ。水着着用OKなので、男女で混浴できる。大海原を望める昼間はもちろん、離島ゆえに夜の星空もきれいだ。冬季の島はオフシーズンだが、そのぶんゆっくり温泉につかれる。

宝川温泉・汪泉閣(群馬県)

宝川温泉の一軒宿「汪泉閣」は、計470畳の広さを誇る巨大な4つの露天風呂が人気。映画『テルマエ・ロマエ』の舞台となった渓流沿いの露天風呂は、関東屈指の絶景温泉でもある。新緑、紅葉、雪など季節ごとに美しい景色を見せてくれる。湯浴み着の利用可。女性専用の露天風呂もある。

奥那須温泉・大丸温泉旅館(栃木県)

「那須八湯」のひとつに数えられる一軒宿。明治時代の軍人・乃木希典夫妻が定宿としていた旅館で、館内にはゆかりの品が展示されている。名物は温泉の湧く川を堰き止めてつくった露天風呂「川の湯」。野趣あふれる混浴の露天風呂が並ぶ。全国的にも珍しい川の温泉につかれる宿として、温泉ファンにも愛されている。男女別の内湯や露天風呂もある。

川治温泉・薬師の湯(栃木県)

鬼怒川温泉の上流、男鹿川沿いに10軒弱の宿が並ぶ静かな温泉地。川沿いにある共同浴場「薬師の湯」には混浴露天風呂がある。ぬる湯にゆっくりとつかることができ、気温が高い季節におすすめ。ただ、川に面していて開放的なロケーションなので、入浴のハードルは少し高い。混浴に抵抗がある人は、別棟に男女別の浴室があるのでご安心を。なお、混浴露天風呂は2025年3月31日まで冬季休館。

法師温泉・長寿館(群馬県)

みなかみ町の山間部にある秘湯の一軒宿。明治28年築の大浴場「法師乃湯」は国の登録有形文化財で、昭和を通り越して明治時代の面影を残す。鹿鳴館風の浴室は温泉ファン憧れの空間だ。4つに仕切られた湯船はいずれも湯船の底からぷくぷくと源泉が湧く足元湧出泉。適温で新鮮な湯が絶えずかけ流しにされている。湯が湧きあがる場所を探すのも楽しい。目隠しなどがない混浴なので入浴のハードルは高いが、女性専用時間がある。

温泉のおすすめ記事がLINEに届きます︕

3900湯を巡ってきた筆者が厳選した温泉の記事をまとめてお届けするアカウント・高橋一喜「厳選! おすすめ温泉」の配信がスタート。毎週金曜日の11時51分にお届けします。ぜひ友だち追加してください。

<友だち追加の方法>

■下記リンクをクリックして友だち追加してください

LINEアカウントメディア(外部リンク)

※本リンクは「Yahoo!ニュース エキスパート」との取り組みで特別に設置しています

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

高橋一喜の最近の記事