南岸低気圧が通過へ

西日本を中心に流れ込んだこの冬最強の寒波は、峠を越えてきました。ただあす１１日（土）にかけて、東北や北陸を中心に、まだ強い雪の降る所がありそうですから、大雪や路面の凍結による交通障害などに、引き続き、警戒が必要です。

そしてあさって１２日（日）になると、上図のように、西日本の南海上で低気圧が発生し、東寄りに進むでしょう。これは冬季の太平洋側に雨や雪をもたらす、いわゆる南岸低気圧の通過ということになります。今回流れ込んだ最強寒波は弱まりますが、それでも平地で雪の可能性が高まる上空１５００メートル付近で－３度以下の下層寒気が太平洋側に残っている状態です。

ただ日本海にも低気圧が発生するため、１２日（日）夜にかけて、この下層寒気は北側へ持ち上がりますが、降水域や降水量、また下層寒気の強さによっては、関東平野部でも雪の可能性が高まるかもしれません。ではそのあたりの最新の計算をみてみましょう。

あさって１２日（日）関東南部で雨か雪

上図はあさって１２日（日）夜以降、関東での雨、みぞれ、雪の計算です。南岸低気圧の接近に伴って、午後９時から午後１０時頃には南部の沿岸部に降水域がかかり、箱根以北の内陸では、弱いながら雪となるでしょう。

その後、１３日（日）に日付が変わる頃にかけて、弱いながら八王子や東京都心などでも、雪が降る計算です。ただ長くは続かずに、１３日（日）未明から明け方には、関東から降水域は抜けていく見込みです。総降水量は都内で１ミリ程度、最も多い千葉や茨城でも３ミリ程度で、みぞれや雪に変わったとしても、平野部ではまず積もることはない量だといえます。

東京都心の予報には雨や雪はなし

東京都心の時間ごとの予報をみると、あさって１２日（日）夕方から夜は、弱い降水現象が予想されていますが、ごく弱い降水なので、天気マーク的には降水があるかもしれないという黒雲マークとなっています。ですから今のところ、降水があったとしても、大きく影響するような降り方となる可能性は非常に低いとみられます。

ただ南岸低気圧は予想変わりしやすく、今後、降水域が広がったり、降水量が増えたりすれば、この予想よりも雪よりにかたむく可能性もあります。気象庁から千葉県にそのような気象情報も発表されています。念のため、今後も最新の気象情報の確認をお願いしたいと思います。