創業62年の町中華のような老舗ラーメン店〈生姜の効いた豚骨ラーメンとチャーハンの格安のセットが人気〉
福岡県福岡市中央区の春吉。福岡の中心街の「天神」と歓楽街の「中洲」の中間に位置し、近年(2000年代前後から)は、北西側:国体道路の「三光橋」一帯から南東側:那珂川リバーサイドの「住吉橋」周辺一帯までの小さな路地が入り組んだ一円が脚光浴びてきた。それが「春吉エリア」で、今もなお新旧の人気飲食店が多く立ち並んでいるエリアだ。そんな中に古くからあるラーメン店のような町中華のような歴史あるお店が存在する。
春吉と渡辺通を貫く路地裏に佇む老舗店
天神エリアを東西に貫く「国体道路」の「三光橋交差点」から「春吉渡辺通線」を南に向かう。「春吉六番丁」を過ぎたあたりの道沿いに大きな赤提灯が見えてくる。町中華のような店構えと屋号のお店〈胡同(ふーとん)〉。その歴史は古く、1962年(昭和37年)に福岡市中央区の「春吉」の地で創業。今年で62年の歴史を誇る老舗ラーメン店になる。店内はL字型のカウンター9席のみで、古き良き時代の町中華のような雰囲気を醸し出している。お昼から夜までの「通し営業」でお店を切り盛りされている。
D-Setのラーメン+ミニチャーハンがお得
この日、久しぶりに訪れたのはお昼少し前。店内はL字型カウンターの9席のみ。すでに手前に3人、奥に2人と両方サイドの端々の席が埋まっていて、厨房で鍋を振るご主人に挨拶しつつ、中央の空いた席の一つに腰を下ろした。
メニュー表を眺めながら注文の品を検討。まずはお昼なので「裏面」のセットメニューから。ズラリと並ぶセットの中から、ランチタイム(11時30分〜15時00分)限定サービスで〈胡同〉1番のお得なセットメニューと思われる「D-Set:650円(ラーメン+ミニチャーハン)」という破格値のひと品を選択した。この「D-Set」は終日OKで、ランチタイム以外の時間帯は750円で注文が可能。ちなみに単品の価格は「ラーメン:550円」で「ミニチャーハン:350円」。本来の合計額は「900円」。ランチタイムは「250円」もお得になる。
生姜の風味が効いた独特な豚骨ラーメン
待つことしばし。まず配膳されたのはセットの「ミニチャーハン」から(お隣の方も同じ注文だったらしく2つ同時に配膳)。そしてほとんど時間を置かずに「ラーメン」も配膳された。どちらもシンプルながら博多らしい王道感のある見た目に仕上がっている。
まずはラーメンをいただく。白濁のスープは昔ながらの博多の豚骨ラーメンという印象。しかし、そのスープを口に運ぶとその印象がガラリと変わる。あっさりとしながらもスープに溶け出す「生姜」の風味が力強く効いた斬新な一杯で癖になる味わい。その美味しさがたまらなくて最後までサラリと飲める飽きのこない一杯。
合わせる麺は、博多らしいオーソドックスな中細のストレート麺。パツパツとした食感も心地いい。さらに生姜効果なのか食後は、体がポカポカと温まり、ちょっと特別感のある美味しい逸品だった。
ミニチャーハンは、しっかりと炒められた逸品。焼き目も残る香ばしさの中に、最後は豚骨スープを絡めて提供されるので、当然ながらラーメンとの相性も抜群。しっとりとした仕上がりの中に香ばしい香りと豚骨と生姜の風味も重なりラーメンのお供としても秀逸なひと品。
帰り際『これだけ美味しくてこのお値段は安すぎませんか?』と少しだけお話してみたところ、実は来年からの値上げを予定されているとのこと。最後に『よかったら値上げする前にまたいらしてください』と、ご主人の笑顔で見送っていただいた。とても美味しくいただきました。ごちそうさまでした。
屋号〈胡同(ふーとん)〉の由来について
壁の貼紙の内容から、屋号〈胡同(ふーとん)〉の由来について。“大陸の古い言葉で、井戸などの水が出る場所を意味します。この店をそんな胡同のように人が集まるオアシスとして春吉にあり続けたいと思います。あくまでうちはラーメン屋 胡同(ふうとん)店主”とある。
最後に。通常メニュー(表面)を見ると分かるのだけど、ちょっと変わった町中華のようなラインナップが並ぶ中、最下部には『もしかしてうちは町中華?』というひと言が添えられている。そしてメニュー表の「裏面」の最下部には対比的に『あくまでうちはラーメン屋』というキャッチフレーズがある。まだ未食なので余談になるが、ダントツでの一番人気メニューは「マーボーラーメン」で町中華とラーメン屋さんのちょうど中間のようなメニューということを書きとめておく。
胡同 (ふーとん)
住所 :福岡県福岡市中央区春吉3丁目26−14[地図]
営業時間:11時30分~20時30分
店休日 :日曜日
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり