存在した賢者の石!禁忌の研究にも使用されたその正体とは
「賢者の石」と言われると、アニメやマンガの世界のアイテムを想像する方も多いのではないでしょうか。
アニメ・マンガ「鋼の錬金術師」でも、作中の根幹に関わる重要なアイテムとして登場していました。
そんな「賢者の石」が、実はこの世界でも存在していたのです。詳しくみていきましょう。
賢者の石の正体
「賢者の石」の正体は、硫化水銀の結晶「辰砂鉱」のことです。
別名「朱」とよばれるように、赤みがかかった見た目をしています。
朱という色には「魔除け」や「永遠の命の象徴」といった信仰が古代から世界中に根付いており、このことが硫化水銀のことを賢者の石とよぶようになったルーツだと考えられています。
錬金術
錬金術とは、卑金属や貴金属から金を錬成しようとした試みのことで、アラビアを中心に錬金術を行う人々が続出しました。
金を錬成しようとした人が続出した背景には、古代〜中世における「金」が世界共通の通貨として認識され、さらに価値のある財宝のひとつだったからだといわれています。
つまり、金を生み出す技術さえ確立してしまえば、世界を掌握するほどのお金持ちになることが可能だったのです。
そんな錬金術の材料として使用されたのが、「賢者の石(辰砂鉱)」でした。
ちなみに錬金術には、広義で肉体や魂の錬成も含まれており、現代では「禁忌の研究」と称され、アニメやマンガの題材に起用されることも多いようです。
今回紹介した「賢者の石」が気になった方は、徳島県板野郡板野町にある「とくしま歴史文化総合学習館(徳島県立埋蔵文化財総合センター)レキシル徳島」を訪れてみてくださいね。
貴重な「賢者の石(辰砂鉱)」に関する資料を見ることができます。
■とくしま歴史文化総合学習館(徳島県立埋蔵文化財総合センター)レキシル徳島
【住所】徳島県徳島市万代町1丁目1番地