日頃からネット検索やメール、天気予報を活用…シニアのスマートフォンライフの中身
かつてはシニア(今件では50~79歳を対象とする)には敬遠されがちだったスマートフォンも、今や確実に普及しつつある。シニアはスマートフォンで何をしているのだろうか。ソニー生命保険が2023年9月に発表した「シニアの生活意識調査2023」(※)の調査結果報告書から確認する。
次に示すのは調査対象母集団においてスマートフォンで日頃から何をしているかを答えてもらったもの。なお今調査対象母集団は報告書ではインターネット経由で回答したと説明されている。インターネットの利用端末については尋ねていないものの、各設問の限りでは全員がスマートフォンを利用しているのが確認できる。
トップについたのはインターネット検索。正しい答えを得るためには相応の検索技術や知識が必要になるのだが、とにかく気になる言葉を入力すればそれに関する説明が書かれていると思われるウェブサイトやブログを提示してくれるインターネット検索は、魔法の道具のようにすら思えるのかもしれない。各検索サービスではAIの導入を模索しており、それが本実装となれば、インターネット検索への注力はますます強くなるだろう。
インターネット検索に続くのはメール。そして天気予報をはさんで通話が続く。スマートフォンを利用しているシニアの65.7%は日頃からメールを使い、61.3%は通話をしていることになる。メールと通話を比較するとメールの方が上である実情を見るに、シニアのスマートフォンライフは通話よりもメールを使いこなしているように見える。若年層などにとってはすでにメールは時代遅れのコミュニケーションツールで、ソーシャルメディアやメッセージアプリでのやり取りが主流となっているが、シニアの間ではまだまだメールが現役のようだ(メッセージアプリは57.1%)。
他方、LINEなどのメッセージアプリは57.1%。メッセージアプリは基本として対話する相手がいることが利用の前提となるため、子供や孫、知人などとのやり取りをスマートフォンでする機会があるか否かが、利用の鍵となりそうだ。メッセージアプリを利用している人に限定して、どのような相手とやり取りをしているかの統計があるとよいのだが。
これを男女別に見たのが次のグラフ。
今設問は複数回答のため、女性の方が回答値が高い事柄が多いということは、それだけ女性の方が多数の機能を日頃から利用していると回答しているのを意味する。つまり女性の方が日頃からスマートフォンで多様なことをしていることになる。上位陣の項目に限れば、地図以外のすべてで女性の方が上。通話やニュース閲覧などは仕事で使う機会も多いために男性の方が上になりそうな気もするが、それでも女性の方が上となっている。
男女差を見ると写真撮影、時間確認、電卓など日常生活での事柄で差が大きい(女性の方が値が高い)。男性は仕事で使っている・使っていた専用の道具(例えば電卓なら電卓そのもの)を使い続けており、スマートフォンを使うまでもないと考えているのかもしれない。
また、メールや通話はともかく、メッセージアプリのようなコミュニケーション系の事柄も男女差が大きい。女性は男性よりもコミュニケーションを好むからかもしれない。
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※シニアの生活意識調査2023
同調査は2023年7月27~28日にかけてインターネット経由で50~79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層別では50代が2・60代が1・70代が1の割り当て。男女別は1対1。調査協力会社はネットエイジア。
調査結果からは回答者全員がスマートフォンを利用していることが確認でき、多分にスマートフォン利用者を調査対象母集団としていることがうかがえる。そのため、社会全体の実情とはいわゆるデジタルデバイドによる差が生じていることに加え、実際の人口構成比とは異なることに注意が必要。
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