レッドソックスの新エースは、あのマニー・ラミレスと同じ背番号「24」のユニフォームでマウンドに立つ
デビッド・プライスにとって、ア・リーグ東地区は馴染み深いディビジョンだ。昨夏から今夏にかけてはア・リーグ中地区のデトロイト・タイガースにいたが、その前後はいずれもア・リーグ東地区のチーム、タンパベイ・レイズとトロント・ブルージェイズで投げてきた。メジャーリーグ9年目となる来シーズンも、プライスはア・リーグ東地区のチームで迎える。12月初旬、ボストン・レッドソックスは7年2億1700万ドルでプライスを迎え入れた。
プライスにとって、これまでと違うのは背番号だ。2008年のメジャーデビュー以来、プライスは「14」を背負い続けてきた。過去の移籍は2度ともシーズン途中ながら、レイズからタイガースへ移った際は、タイガースで背番号「14」を使用していたオースティン・ジャクソンが同じトレードでシアトル・マリナーズへ去り(ジャクソンの放出は背番号が理由ではない……はずだ)、タイガースからブルージェイズへ移った時には、ジャスティン・スモークに「14」を譲ってもらった。バンダービルト大でも、マイナーリーグ時代の大半も、プライスの背番号は「14」だった。しかし、レッドソックスの「14」はジム・ライスの永久欠番だ。プライスは「24」を選び、頻繁に書き込むツイッターのアカウントも「@DAVIDprice14」から「@DAVIDprice24」に変えた。
メジャーリーグにおいて、背番号「24」は野手のイメージが強い。ウィリー・メイズ、トニー・ぺレス、リッキー・ヘンダーソンの「24」は、それぞれサンフランシスコ・ジャイアンツ、シンシナティ・レッズ、オークランド・アスレティックスで永久欠番になっている。シアトル・マリナーズではケン・グリフィーJr.が「24」をつけていた。マリナーズの永久欠番は全チーム共通の「42」のみだが、今後「24」を背負う選手は出てこないだろう。ロビンソン・カノーはニューヨーク・ヤンキースで長らく「24」を使用していたが、マリナーズでは「22」に変更した。また、2015年に背番号「24」のユニフォームを着たメジャーリーガー17人のうち、15人は野手だった。その一人は、2012年に三冠王を獲得したミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)だ。
野手のイメージは、レッドソックスにおいても例外ではない。直近の背番号「24」は2009年の斎藤隆だが、2001年から2008年まではマニー・ラミレスのもので、1973~1990年はドワイト・エバンスが背負っていた。レッドソックスで背番号「24」を5年以上使用したのは、彼ら2人だけだ。エバンスとマニーの間の「24」にはケビン・ミッチェルとシェーン・マックもいるが、どちらも2シーズン目を迎えることはなかった。エバンスはレッドソックスで379本塁打、マニーは274本塁打を放った。これらはライスの382本塁打に次ぎ、球団記録の5位と6位にランクインしている。
プライスは入団会見後に「今日のすべてにありがとう! 勝利に貢献する準備はできている! ドワイト・エバンスとマンラム(ManRam)はここのレジェンドだ…誇りを持って24を着る」とツイートした。背番号に加え、プライスは「レッドソックス史上最高の契約総額」という称号も、マニーから引き継いだ。エバンスとマニーのように、プライスもレッドソックスのレジェンドになれるだろうか。
プライスは2018年のシーズン後に契約を打ち切ることができる。その場合、再契約しない限り、レッドソックスで背番号「24」のユニフォームを着て投げる姿は、3シーズンで見納めとなる。ただ、オプト・アウトしてFAになるのは、残りの4年1億2700万ドルを上回る契約を得られる公算があるからだ。活躍していなければ、そうはならない。契約を打ち切ってレッドソックスを去ったとしても、あるいは去るからこそ、プライスのピッチングは語り継がれ、レジェンドとして記憶に刻まれるかもしれない。ポストシーズンでは芳しくないものの、これまでにレギュラーシーズンで残してきた実績からして、その力量に疑問の余地はない。