台風15号は消滅、ただ早くも次の熱帯低気圧が発生し北上か
台風15号は温帯低気圧に
きのう23日(金・秋分の日)午前9時、四国沖で発生した台風15号は、その後北東へ進み、きょう24日(土)午前9時、東海沖で温帯低気圧に変わりました。
この台風は非常にコンパクトで、暴風域もなく、台風としてはギリギリの勢力で東海沖まで進みましたが、中心の北側に非常に活発な雨雲が発生したことで、東海地方、特に静岡県では記録的な大雨となりました。
静岡県で記録的大雨
きょう24日(土)午前9時までの48時間雨量は、静岡419.5ミリ、静岡市鍵穴410.5ミリ、藤枝市高根山410.0ミリなどとなっていますが、このうち昨夜からきょう明け方にかけてのわずか6時間で300ミリ以上の記録的な大雨となった所もあり、わずか6時間で平年の9月1か月分の大雨となった所もありました。
またその場所で数年に一度しか降らないような猛烈な雨を観測したり、解析したりした時に出される記録的短時間大雨情報が静岡県には一晩で16回も出される集中豪雨となり、静岡県や愛知県では線状降水帯も発生しました。
静岡県で特に記録的な大雨となったのは、南からの際立った暖湿流が静岡県の山沿いにぶつかり、強い上昇気流で積乱雲が発達したことに加え、内陸の相対的に冷たい空気と南からの暖湿流が激しくぶつかり、局地的な沿岸前線が発生し、より上昇流が強まったことなども要因だと思われます。今回は想定を大きく上回る大雨となりました。
新たな熱帯低気圧が発生へ
タイトル画像をみると、関東付近には台風15号に伴う雲があり、フィリピンの東海上には台風16号に伴う雲があります。この台風16号はフィリピンから南シナ海を西進するため、日本への直接の影響はありませんが、この台風16号の東側に広範囲に雲がわき上がっていて、このうち、日本のはるか南東海上に低圧部が解析されています。
低圧部とは周囲より気圧が低く、低気圧性の循環はみられるものの、その中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心がハッキリ推定出来るようになると熱帯低気圧、いわゆる台風のたまごに呼び名が変わります。
気象庁が発表している予想天気図では、上述した低圧部付近で、あす25日(日)午後9時に熱帯低気圧が発生する予想となっています。
アメリカのGFSモデルでは?
参考までに、アメリカのGFSモデルでは、発生した熱帯低気圧が北西方向へ進み、あさって26日(月)から27日(火)にかけて、小笠原諸島近海から日本の南海上へ北上する計算となっています。またこの頃には、台風と思われる勢力に発達する計算です。
まだかなり不確実性が大きいものの、多くのモデルでは、小笠原諸島近海まで北上した熱帯低気圧(あるいは台風?)は、その後、北東へカーブし、日本の東へ抜ける計算となっていますが、太平洋高気圧や偏西風の状況により、変わる可能性もあります。
今後発生が予想される新たな熱帯低気圧の動向に、念のため、ご注意ください。