【オートバイのあれこれ】カワサキ二輪事業70周年の企画展!
全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。
今日は「カワサキ二輪事業70周年の企画展!」をテーマにお送りします。
先日、私(筆者)は兵庫県神戸市にあるカワサキワールドを訪れました。
カワサキワールドは、川崎重工の企業ミュージアムです。
鉄道、船舶、飛行機、そしてバイクと、川崎重工グループが手掛けるさまざまな製品が展示されています。
この度私が訪問したのは、現在このカワサキワールドにてバイク関連の企画展が実施されており、その様子を取材したかったから。
その企画展とはズバリ、「カワサキモーターサイクル事業70周年特別展示」。
そう、カワサキの二輪事業参入70周年を記念してのものです。
カワサキ二輪事業70年の歴史が、各時代の代表的製品とともに紹介されるという内容です。
現在行われている企画展のテーマは「1970年代〜’90年代のヨーロッパ市場」ということで、主にヨーロッパにて活躍したカワサキのバイクがディスプレイされていました。
企画展の特別展示車としてまず目に飛び込んできたのが、「ザッパー」こと『Z650』。
カワサキはZ1(900SUPER4)を皮切りに「大きな車体、大きなエンジン」のバイクで市場を賑わせてきたわけですが、その一方、軽快な走りを楽しめるライトウェイトスポーツを作りたいという構想も温めており、それが具現化されたのがこのZ650でした。
“Kawasaki Z”と言えば、北米においてもヨーロッパにおいてもやはりZ1とその後を継いだ旗艦モデル(Z1000等)が主役だったわけでですが、山岳地帯とそれにともなうワインディングロードが多いヨーロッパでは軽量車へのニーズも大きく、軽さとコンパクトさが武器だったZ650は欧州ライダーから厚い支持を集めることとなりました。
次に現れたのが、『GPZ600R』。
日本では1985年(昭和60年)に登場し、大人気モデルとなったGPZ400Rとして有名ですね。
こちらもZ650同様、ヨーロッパにて高性能なミドルサイズスポーツとして人気を博しました。
そしてその隣には、『1000GTR』と『ZZR1100』が並んでいました。
1000GTRは、大型のウインドスクリーンやパニアケースを備えたピュアツアラーモデルですが、パワーユニットはGPZ900Rの水冷4バルブ4気筒エンジンがベースとなっており、ハイスピード巡行も余裕でこなすスペックも持ち合わせていました。
ZZR1100は日本でもヒット作となったので、この記事を読んでくださる方々もよくご存知のことと思います。
トップスピード280km/h超えという抜群のパフォーマンスを発揮する一方、街中などにおける低速走行も難なくこなす懐の深さを持ち、幅広い層から支持を集めました。
日本製大型スポーツバイクの性能水準を大きく引き上げた存在だと言って差し支えないでしょう。
そして展示スペースの最後に現れたのが、『KV175 AGIBIKE』。
こちらは欧州ではなくオセアニア地域(オーストラリア等)で活躍したモデルで、カテゴリーとしてはオフロード車に属するのでしょうが、主な使用用途としては農作業が想定されています。
いわば農家や酪農家へ向けた業務用バイク、働くバイクですね。
『AGIBIKE』の「AGI」は、“agriculture”(「農業」の意)から来ていると思われます。
展示車には、車体前後に荷物積載用のキャリアが装着され、加えて大きなスコップも備え付けられていました。
私はKV175に関しては一度も実車を見たことがなかったので、やや興奮。
日本にはバイクや車が要るほどの広大な農地はほぼ無いのでしょうが、こういうバイクで一度田畑を走ってみたいと感じましたね。
企画展自体はもっと長く続くのかもしれませんが、現在の展示テーマは来年(2025年)の3月末までらしいので、ご興味ある方はカワサキワールドへ足を運んでみてください!