関東の梅雨入り 天気図からみた傾向
きょう(5日)午前、関東甲信地方の梅雨入りが発表されました。平年よりも3日早い梅雨入りです。
今週は、雨の降り出しに合わせるかのように、各地方が梅雨入りしていて、太平洋側では大雨となっている所があります。これまでの雨が春仕様だったとすれば、これからは夏仕様の雨の降り方です。一度に降る雨の量が格段に増えるので、いよいよ災害に注意しなければなりません。
梅雨入りに梅雨前線は必要か
先日、ある質問が。「梅雨前線がないのに、梅雨入りってするのでしょうか?」
梅雨前線という言葉がよく知られているので、天気図をみて不思議に思ったようです。
梅雨はいつもより、くもりや雨の日が多くなる時期のことをいい、春から夏へ季節の移り変わりを示します。だから、今日から、明日からといった明確な日付けで考えるのは少しおかしいのです。なんとなく、雨の日が増えるというのが自然です。
また、くもりや雨の日が増える理由に、特別な決まりはなく、梅雨前線でもいいし、今年のように動きの遅い低気圧でもいいのです。梅雨入りの発表に、あれこれ決まり事を設けても、季節感とは離れてしまいます。
梅雨入りの天気図からみた梅雨の傾向
そうはいっても、天気をなりわいにしていると、ついつい細部にこだわってしまいます。過去、梅雨入りが発表された日の天気図を調べてみました。すると、2つのパターンがあるようです。
一つは西から低気圧がやってきて梅雨入りするパターン。
これを仮に「低気圧型」と呼ぶことにします。九州、四国、近畿と順次、西日本から梅雨入りの発表があります。今年はこのパターンのようで、過去の例をみても、最も多くなっています。
この「低気圧型」では、梅雨入り後、数日間は梅雨らしい天気が続くものの、低気圧が通り過ぎたあとは、前線が南に下がってしまうため、早めに梅雨の晴れ間がやってきます。しばらくは、晴れる日、雨が降る日が交互になり、あまり梅雨らしくない天気もあります。
一方、夏の高気圧が強まり、梅雨前線が北上して梅雨入りするパターンもあります。
これを「前線北上型」としましょう。このパターンでは梅雨前線が本州のすぐ近くに停滞するため、梅雨らしい天気が長く続き、気温も高くなるのが特徴です。
また、珍しい例としては2005年、台風によって梅雨入りが発表されたことがあります。
今年の梅雨を天気図だけで、考えるのは少し乱暴すぎると思いますが、少なくとも、今ある低気圧が通り過ぎると、天気が回復するでしょう。とくに、西日本ほど晴れ間が広がりやすいかもしれません。