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堀江翔太が語る、チームの「上手くなりたい」を引き出すには【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
欧州挑戦の噂についても少し言及。(写真:田村翔/アフロスポーツ)

日本最高峰のラグビートップリーグでは、2連覇中のパナソニックが開幕2連勝を目指している。

11月13日、東京・秩父宮ラグビー場での初戦でサントリーに38―5で勝利。21日には京都・西京極陸上競技場で近鉄とぶつかる。本拠地である群馬県太田市での20日の練習後、堀江翔太キャプテンが取材に応じた。

9、10月のラグビーワールドカップイングランド大会では日本代表の副キャプテンを務め、予選プールでは3勝を挙げた。守備組織の質を上げるべく、練習中に仲間へアドバイスを送り続けていた。

「与えられたチーム戦術、戦略を選手が100パーセント理解して、実行する。それにプラスアルファして、どうしたらその戦術、戦略をよくできるのか、どうしたらもっと強くなれるのかを考える。そこが大切になんじゃないですかね」

2013、14年度は南半球最高峰であるスーパーラグビーのレベルズでプレー。スクラムは最前列中央で組み合うなど肉体的負荷の多いフッカーを務めながら、攻撃時のランやパスのスキルでも確かな存在感を示す。

以下、練習後の一問一答。

――第2節への準備。

「あまり『1試合目がよかったらから2試合目がどうこう(反動でパフォーマンスが落ちるのでは)』と考えず、しっかりと近鉄に向けた準備ができるか、と。分析をして、やれることはやってきたかな、という感じですね」

――近鉄の分析とは。お話しできる範囲で。

「ジャパンのラインアウトリーダーのトモ(トンプソン ルーク)がいる。ラインアウトとそこからのアタックは上手かな、という感じ。しっかりディフェンスできるようにしたいですね。(ジャパンの)ラインアウトはほとんどリーダーに任せていたんで(詳細は)わからないですけど、あれだけのラインアウトアタックの成功率(9割超)を残せたのは、リーダーの貢献度が大きい。常にグラウンド上でアジャストできるようにしたい。どんどん、(隊列などが)変わっていくと思うので」

――常に「どうしたら上手くなれるか、よくなれるかを考える」と話しています。その思いをチームに浸透させるために、どんなことをしていますか。

「どうですかねぇ。まぁ、人にどうのこうの話したって響かないので、まずは行動で示すように意識しますよね。どういう練習がしたいのか、どんな感じで取り組むべきか。それを行動に移したいなと。あとはもう、味方を信じるしかない。響くまで自分で発信し続ける」

――きょうも、プレーの切れ目に細かい修正や意識について話していました。

「そうですね」

――海外からのオファーについての報道がありました。あくまで日刊スポーツの記事によれば、ですが、「レッズ、フォース(以上、スーパーラグビー)、トゥーロン(フランス1部リーグ)」からオファーがあると。

「そうすね。家族とのアレ(話し合い)もありますし…。常に成長できるところがいい。全てがプラスに行くようにしたいかな、と」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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