Yahoo!ニュース

オールブラックスとジャパンとリーグワン。名将はどう見る?【ラグビーのサブスク】

向風見也ラグビーライター
(写真提供=東芝ブレイルブーパス東京)

 昨季のリーグワン1部を制した東芝ブレイルブーパス東京のトッド・ブラックアダーヘッドコーチ(写真右、左から順に薫田真広ゼネラルマネージャー、リーチ マイケル主将)が9月26日、会見した。

 質疑応答では、選手のウェルフェアについて触れた。来季は、代表活動にフル参加した選手の出場時間を各クラブが調整するよう促されている。

——来季への改善点は。

「ひとつ言えるのは、ラインアウトの遂行力です。ラインアウトからもスコアはできていましたが、ラインアウト時のデリバリーにミスが目立った。

 そしてディフェンス。もっとフィジカルに身体を当てられるようなシステムに変えていきたいです。

 オフに入ったなかでも若手には、より筋量、筋力をつけるプログラムを提供し、フィジカル強化がなされています。

 …話したら止まらないぐらい、いろんな分野でもっとよくなれる。また大事な選手が残り、素晴らしい選手がどんどん入ってくるサイクルも作れています。

 もちろん他のチームが強化していることも知っていますし、そこを見くびるわけではないですが、それでも現状でのフォーカスは自分たち自身に向けています」

——プレシーズンマッチを10月下旬から実施します。

「シーズンでパフォーマンスを出すところから逆算して計画を立てています。S&C、ラグビーの戦術面を含め、開幕時はもちろんシーズン終盤まで戦えるように。

(いまは)相手と試合をして現状を測るより、自分たちで自分たちにチャレンジして学びを得て、最終的に自分たち以外の相手と戦う準備をする。

 これが正しいかどうかは、まだわかっていません。ただそれが我々のやり方。我々にとってはそれが正しい」

——前年度のいま頃といまとの違いは。

「フィジカルがいい状態。特に動きのなめらかさ。同じドリルをしていても、ひとりひとりの動きの質が格段にいい。

 ミーティングの運用でも、各コーチから選手に対して、非常にシンプルでクリアなメッセージが発せられてもいます。ここも改善した部分。練習やミーティングに向けた準備にも大きな成長が見られているので、そういう細かいところの全てが見られているのが嬉しいです」

——連覇がかかるシーズン。プレッシャーは。

「わくわくしています。後ろを振り返ることで得られるものって、首が凝ることしかない。もちろん優勝できたことにすごく嬉しく思っていますし、まだその喜びを感じることはあります。ただ、すでに前に歩みを進めている実感です。若いチームですけど、優勝できたことをいつまでも振り返っていうそこにしがみつこうとしておらず、優勝したことで得られる自信、多少の余裕、『自分はこういうプレーをしていいんだ』というポジティブな信念、自信が得られています。いまだに『俺は優勝した』と振り返る選手はひとりもいない。プレシーズンに入ってからも、チーム内で『防衛』『前王者』という言葉を使う人はひとりもいない。日々、目の前にあるひとつひとつの練習ドリルを全力でやっています」

——リッチー・モウンガ選手には、ニュージーランド代表復帰への声が高まっています。

この記事は有料です。
すぐ人に話したくなるラグビー余話のバックナンバーをお申し込みください。

すぐ人に話したくなるラグビー余話のバックナンバー 2024年9月

税込550(記事2本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

向風見也の最近の記事