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「総攻撃を受ける形になってからはちょっと苦しい」豊島将之挑戦者(31)王位戦第4局敗戦後コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

豊島将之挑戦者「(先手番で相掛かりを選び、角交換して27手目)▲8八銀の図はまあ、ちょっと一回やってみたかったんですけど。△4四角もそうですね、そういう手もあるのかなと。難しいのかな、と思ってました。(1日目午後、39手目▲5六角と打ち)1歩得にはなったんですけど、そのあと、しっくりくる組み方がちょっとわからなかったので。(57手目)▲3六銀と上がる必要があるのかどうかが、ちょっとよくわからなかったんですけど。そこでもしかしたら間違えてるかもしれないなと思いました。(2日目午前は)なんかでもやっぱり、後手の3四銀と2一桂をほぐされたのがけっこうやっぱり大きかったような気がするので。(65手目)▲4七角のところで3八に引いたらどうなるのかな、とは思ったんですけど。ちょっと飛車角がかなり使いづらくなるので選べなかったんですけど。それをやっといた方がよかったかなというような気もします。3八に引いとけば△3五銀に▲4七銀で対応できるので。そうやっといた方がよかったのかもしれません。ただちょっとわからないですね。飛車角が使いづらいか。(2日目昼休明け、79手目)▲4八飛がよくなかったかもしれないですけど。やっぱりでも攻めていっても、あまりうまくいくイメージも持てなかったので。でも確かになんか、飛車回ってけっこう悪形というか。馬に成りこまれたらすぐ当たってきますし。うーん、ちょっとまずかったのかもしれないですけど。(▲4八飛の代わりに▲6五歩と攻める順はあった?)ああ・・・。あったのかもしれないですけど、そうですね、対局中は指しづらかったですかね。でもこちらも仕方のない手の連続だと思っていたので。いやでも確かに△5六歩突かれてちょっとわるいような気はしました。(終盤は)どうやっても苦しそうだったので。でも確かに飛車を切った(▲3五飛△同歩で角と刺し違えた)のではっきりしてしまった意味はあったのかもしれないですけど。まあでも単に▲7四同歩と(銀を)取ってもちょっと負けかな、というふうに思いました。(106手目)△5四桂打たれて、完全にはっきりしてしまったかなと思います。(一局を振り返って)もう一回駒組みになったところでたぶん、なんというか、組み方でちょっと間違えてるのかな、という感じがします。7筋、9筋、6筋から総攻撃を受ける形になってからはちょっと苦しいような気がします。(第5局に向けて)そうですね、対局が続くので、体調を整えてまたがんばっていきたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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