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【泉佐野市】口コミで予約殺到「犬の整体」なぜ人気?『温かい手』に癒されるワンコたち。“ドッグラン”も

旅する日々の記憶と記録。matka08ライター(泉佐野市など)

赤ちゃんを寝かしつける手、泣きじゃくる人をなだめる手、我が子を抱きしめる手…

相手を想う瞬間(とき)、いつだってそこには思いやりにあふれた『温かい手』があります。

今回は、その『温かい手』でかわいいワンコたちを癒し続けている人のお話。

「整体」というと、どこか殺風景なイメージですが、とんでもなく温かくポワンとした世界がココにはありました。

犬もその家族も癒される あったかい場所「en dog(エンドッグ)」をご紹介します。

もはやシリーズ化しつつある「古民家ファーム@上之郷」内のお店。どのお店もリラックスできることから “癒しの村” としての存在もじわじわと認知されてきたのではないしょうか。

前回ご紹介した山の麓の調香室「Sillage(シアージュ)」と同じ、「古民家ファーム@上之郷」の母屋にある「en dog(エンドッグ)」。ワンコ連れとあって、入口は少し変わりますのでご注意を。

母屋の扉を開けて右へ進むと、ドッグランのある庭につながり、その横に「en dog(エンドッグ)」の裏口があります。

矢印の方向へ進みます
矢印の方向へ進みます

建物の真ん中あたりにある裏口から入室します。

(大型のワンコへ…道幅が狭いのではやる気持ちを抑えて、慌てずゆっくり進みましょう~)

室内の様子はこんな感じです。

木目調のクッションフロアは、やわらかくてほんのり温かい。(お日様効果?)

家族がくつろげるソファも。

さりげなく飾られたドライフラワーがリラックスムードを演出しています。

お日様とポワンとした灯りに照らされた快適空間。

「床に寝転がってお昼寝した~い!」が、わたしの第一印象です 笑。

「クッションの上に横たわって、そのままウトウトされる飼い主さんもいらっしゃるんですよ」とドッグセラピストの和田 妙子(わだ たえこ)さん。

やっぱり! 日本家屋のなんとも言えない“おばあちゃん家” 感が、「ちょっとゆっくりしていくわ~…」という気持ちにさせるのかもしれません。

「ワンコだけでなく、飼い主さんも癒されてほしいんです」と和田さん。

第一声がそれだったことから、その想いに揺るぎない信念を感じます。

「家族がストレスを抱えてピリピリしていると、それを感じ取ったワンコまでしんどくなってしまう。家族が笑顔でハッピーだと、ワンコも癒されるんですよ」とにっこり。

なんだか、子育てでも聞いたことがあるような話に強く共感してしまいました。

取材で訪れた日は、残念ながらワンコはいなかったので、ワンコのぬいぐるみでケア内容の説明をしていただきました。

まず、母屋の玄関前で歩行をしてもらい、歩き方などをチェックします。

チェック項目はたくさんあります。首の位置、前脚と後脚の歩幅、足先の方向(外旋・内旋や外転・内転の有無)、可動域、肩甲骨の動き、背骨の状態(歪み、曲がりがないか、円背、湾曲など)。腰の振り、腰の下がり、膝を使って歩けているか、O脚、X脚の有無、歩くスピード、ふらつきや躓きがないか、身体のバランスなどを見ています。

今まで見てきたワンコたちの身体の状態は、主に腰の下がり、背骨の円背や湾曲、首の下がり、歩行困難、O脚、X脚、*パテラ、ヘルニア、身体に傾きが出ている子、ふらついて立てない子など、年齢に関係なく多種多様です。

*「パテラ」とは、後ろ足の膝のお皿が正常な位置から外れ脱臼してしまう状態のこと

考えられる原因も様々で、生活環境(滑りやすい環境、ジャンプのしすぎなど)や生まれつき持っているもの(先天性疾患 背骨の歪み、身体のバランスが悪いなど)、性格的なもの(神経質な子は身体が固縮してハリこりが多い)、運動不足や運動過多、加齢、自然環境(雷や低気圧、急激な気温差などで体調を崩す)など。

お散歩時に“引っ張り”がきついと「首輪」が負担になることもあります。

ここまでのお話を聞いて、「あれ? もしかしてうちの子も…」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。ワンコは言葉で訴えることができないから、変調をきたしていたとしても気づきにくいものです。

わたしもワンコとの暮らしは長く、いろんな想い出があります。初代 熊五郎(くまごろう)は、コロコロとまん丸い子犬の頃、当時住んでいた街のお医者様に譲っていただき、大切に育てていました。わたしが思春期の頃は、遊びを優先してしまい散歩が面倒に感じた時期もありました。元々そりをひく犬? だったこともあり、とにかく力が強く、家族もその存在を持て余していたようにも感じます。「可愛い=ちゃんとお世話できる」ではないことを苦い想い出からも痛感します。

二代目 山太(さんた)は、母と温泉に行く際に拾いました。山で拾ったコロコロと太い子だったから山太。なぜか我が家は和の名前が好きだったようです。

まだ小さく、プルプルとカラダを震わせていたことを覚えています。熊五郎の経験から、山太には精一杯の愛情を注ぎました。すると、みるみる人の心や言葉がわかるようになり(そう感じた)、眠い山太を横目に、母とおしゃべりをしていたら「ワン!」と怒られることもしばしば。鶴の一声ならぬ犬の一声です。

ワンコに限らず、動物の人への計らいは 時に想像を超えてくることもあります。

決して人の心に土足で踏み込んでこない、その距離感に驚かされます。

寂しい時に気づいたら傍にいてくれる。言葉をかけてくれるわけではないけれど、その存在にどれだけ救われたことか。動物と暮らした経験のある方には共感していただけるのではないでしょうか。そして、こちらが我が家の長男が小学生の頃、亡き愛犬「山太」を想い灯籠に描いた絵です。

(実家の母 撮影)
(実家の母 撮影)

(実家の母 撮影)
(実家の母 撮影)

(実家の母 撮影)
(実家の母 撮影)

亡くなって12年、月日も経ちシミだらけですが、この灯籠は今も実家で大切に飾られています。

おっと、つい感傷に浸ってしまいました!

話は逸れてしまいましたが、様々な状態のワンコたちにどんなケアを行っているのかも尋ねてみました。

立っている時、足の裏面とその間の領域が支持基底面となるのですが、立位の姿勢が保持できている時は、重心から床面に垂直に下ろした重心線と支持基底面が交わる点は、必ず支持基底面の内側にあります。

ですが、先に述べた状態の子は、重心線と支持基底面が交わる点が支持基底面の外側にきてしまうためバランスを崩してしまうのです。

なんだか難しい話のようにも聞こえますが、これは人にとっても大切な話です。

杖を使うと、立ったり、歩きやすくなったりするのは、杖との間の領域も支持基底面として広がるからだそう。

まずは、ワンコと信頼関係をゆっくり築き、やさしくボディタッチ

触るとハリやこりがある部分がわかるそうです。そして*「温灸器」を使って温めたり、リンパを流したりして血流を整えます。

自然な状態を取り戻し、全体の調和を保つように整える「犬の整体」。

医療行為ではないので「効果・効能」はお伝えできませんが、曲がった腰のこりをほぐして可動域を広げることで胃腸が活発に動くようになるということは理にかなっているようにも感じます。

そういえば、わたしも最近腰痛に悩まされていて、週に一度リハビリに通っているのですが、ハリやこりをほぐしてもらうと「息がしやすくなる」ことを実感します。

「息が苦しいよ」「歩きづらいよ」など、話せないワンコの気持ちを考えると、家族が早めに察知し、ケアしてあげることの大切さを感じます。食欲がなかったワンコもほぐしてもらった後は、食欲がアップする子もいるそうです(個体差はあります)。何が原因で不調なのかもわからない家族にとって、和田さんは良き相談相手でもあるのでしょうね。

そして先程からお話している和田さんは、泣き出してしまうのでは? と思うほど感情があふれていてワンコたちへの愛がたっぷり。

ドッグセラピストの和田 妙子さん
ドッグセラピストの和田 妙子さん

プライベートでも2匹のワンコと暮らす和田さん。

「ドッグセラピスト」を目指すきっかけとなったご自身の経験も話してくださいました。

「今 一緒に暮らしている暖(のん)ちゃんは、元々京都のウサギ小屋で繁殖犬として多頭飼いされていました。里親になった当初は、眠れないほどの自傷行為が続き、問題行動もたくさんありました。すぐに歩行困難になり、常に抱っこをして歩く日々。その姿に『歩けなくてもいいじゃない』という声もありました。ですが、来る日も来る日も愛情を注ぎ続けた結果、351日で歩けるようになったんです。今はお散歩が大好きで、その様子を見ていたご近所のおじいちゃん、おばあちゃんが泣いてくれました。『歩ける』ということは、とても大切なことで、でもそれは決して当たり前じゃないんだ、ということを痛感しました」。

「暖(のん)ちゃん」という名前は、過去の苦しみは忘れて、暖かい日だまりのような人生をおくってほしいという想いから。

「トラブルを発見し、早めにケアすることで二次トラブルを防ぐこともできます。

健康寿命を延ばして『歩くこと』を最期まであきらめないでほしい」とも話してくださいました。

ケア後、再度歩き方などのチェックをし、変化のあった部分を確認します。1回のケアで変化がある子もいれば、数回のケアが必要な子も。整体をしたその日がピークではなく、状態を保つためには“おうちでのケア”も大切とのこと(ケア方法は教えてくださいます)。

和田さんは、ほかにも(犬猫の)保護活動をしている団体に「整体ボランティア」として出向き、「第二の犬生を幸せにおくってほしい」という想いで、譲渡前のワンコたちの身体を整えてあげているそうです。譲渡会での「整体体験会」の売り上げの一部は保護犬団体に寄付するなど、多岐にわたり犬のための活動を続けていらっしゃいます。

実際に和田さんとワンコがどんな風に触れ合っているのか、気になりませんか?

フォト・ビデオグラファー、シンガーソングライターなど、多岐にわたりご活躍中のヒナタユウさんの写真でその様子をご紹介します。

和田さんとワンコの心を許す距離感、温かい時間がそこには映し出されています。

写真提供にご快諾いただいたヒナタユウさんに、この場をお借りして心からお礼申し上げます。

(photo byヒナタユウ)
(photo byヒナタユウ)

(photo byヒナタユウ)
(photo byヒナタユウ)

(photo byヒナタユウ)
(photo byヒナタユウ)

(photo byヒナタユウ)
(photo byヒナタユウ)

(photo byヒナタユウ)
(photo byヒナタユウ)

(photo byヒナタユウ)
(photo byヒナタユウ)

素敵ですよね! 心が繋がっていなければ、見せない表情や姿勢の数々に感動します。そして、たった数枚の写真でそこはかとなく温かい無限の想像を引き出すヒナタユウさんもお見事です。

(photo byヒナタユウ)
(photo byヒナタユウ)

そしてこちらが前出の*温灸器。実はこれ、わたしも買いました。

元々は人が使うためのものだそうで、肌に直接置くお灸とは違って、ヨモギを炭化した温灸材を木の筒に入れて使うので*服の上からも使えて何より心地いい!(家事の時は付属のベルトでカラダに巻き付けています) 

*炭が落ちてくることもあるため、汚れて困る服装や、熱に弱い素材(シルク)でのご使用はお避け下さい。服の内側に入れてご使用することはお控えください。

温灸器が苦手な子もいるそうですが、大抵のワンコは気持ちよく居眠りしてしまうのだとか。「身体を温めることが大切」というのは、人も犬も同じなんですね。

「en dog(エンドッグ)」には、“和田さんご夫婦” 作の「ドッグラン」もあり、足腰強化のための「ボコボコ道」や、後脚と筋肉の強化のための「幅3メートルの坂道」など、ユンボで土を掘り起こして自作したとは思えない、“ワンコ版 サスケ”さながらのクオリティーの高さにビックリ!

*現在「ドッグラン」は、整体利用者とそのお友達のみ利用可能
*現在「ドッグラン」は、整体利用者とそのお友達のみ利用可能

今後は、フィットネスなどで「カラダづくり」や、「筋肉強化」を目指すサービスも展開していきたいとのこと。

連日予約が殺到している「en dog(エンドッグ)」。

イベント開催時は、情報公開から1日半で満席。12月もほぼ予約で埋まっているのだとか(気になる方はお問い合わせを)。

和田さんのお人柄に触れるとその人気の理由がわかります。

「わたしがまだ無名の頃、『100ワンチャレンジ』といって、無償で100回ワンコをケアする企画に挑戦したんです。もちろん、交通費も自腹です 笑。その頃のお客さんが今もたくさん通ってくださっていて…。ほぼ口コミで広がっています。『和田さんやからお願いする』『自分もリセットできた』など、うれしいお声もいただいています」。

昔から「犬は犬好きの人がわかる」というように、ワンコが和田さんの虜になっているのでは? と思うほど、この人自身がたぶん乙女なワンコ。もう、ちょっと何言っているかわからないけれど、それほど誰にも垣根をつくらない純粋なお方、という意味です。

この記事がふんわりと地域の人に届くといいなぁ。動物と暮らす楽しさと責任について、あらためて考えなおすきっかけになれば幸いです。

「en dog(エンドッグ)」では、訪問整体も行っています
「en dog(エンドッグ)」では、訪問整体も行っています

【基本情報】

愛犬のための整体メンテナンス「en dog(エンドッグ)」
公式インスタグラム(外部リンク)
住所:泉佐野市上之郷2723 古民家ファーム内(Googleマップ参照)
営業時間:9:30~15:30(最終受付)
定休日:不定休
取材協力 「en dog(エンドッグ)」
ドッグセラピスト 和田 妙子様
撮影協力 フォトグラファー ヒナタユウ様
*記事内容は取材当時のものです。
*「en dog(エンドッグ)」では、身体を強く刺激することはなく、「優しく身体に触れる」整体を行っています。変化には個体差があることをご理解ください。
*料金、ご予約、訪問整体、その他詳細につきましては、インスタグラムDMよりお問い合わせください。
*年末年始のお休み12/28~1/9 (1/8はイベントの予定あり。詳細は後日インスタグラムで発表)

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ライター(泉佐野市など)

大阪府泉南市・泉南郡・泉佐野市担当。 なんでもない日々を旅するように暮らす日常写真家。「ローライ35s」という小さなフィルムカメラでささやかな日常を記録しています。私たちのまちのちょっとうれしくなるあんなことこんなこと。みなさまの日常がもっともっと楽しくなりますように。 2023年2月、2023年5月、2024年9月MVA受賞

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