Yahoo!ニュース

【泉佐野市】わずか自転車1台分の路地先にまさかの『エモすぎるカフェ』そこはあの「食堂」の..〈新店〉

旅する日々の記憶と記録。matka08ライター(泉佐野市など)
りんくう北駐車場(無料)から徒歩4分

わずか自転車1台分の細い路地を10メートルほどゆき、ガラガラと心地よい音色を響かせ引き戸を開ける。そこに現れたのは、真新しい匂いと静謐な空気が入り混じる『エモすぎるカフェ』。古き良き時代の食堂が、姿を変えて復活しました。

50年 地元の漁師たちでにぎわった場所

創業昭和38年。50年もの長きにわたって親しまれてきた「大工食堂」は、平成25年6月末日に惜しまれつつ閉業しました。ここは、泉佐野漁港のすぐそば。食堂の役割を超えて地元の漁師たちの「呑み処」になっていたという一説もあります。

昭和の面影がのこる この場所に吹き込んだ新しい風は、思いのほか穏やかでゆるりとした店主が営む “つい長居したくなる”カフェでした。

「花音(はなおと) かふぇ」

「花音 かふぇ」
「花音 かふぇ」

11月28日にオープンしたばかりの「花音 かふぇ」は、無農薬・有機米粉を使用した おやつとパンの店。ご自身のカラダに小麦粉があわないと感じた店主の松田 峰子(まつだ みねこ)さんは、「好きなのにパンが食べられなかった」と当時の辛い思いを振り返ります。有機米粉に出会い、おやつやパンをつくるようになってから、すこぶる体調もいいと話します。

「コロナで人と人との関わりあいも減り、コミュニケーションの場をつくりたかった」
そんな想いもあわさって「花音 かふぇ」は誕生しました。

最高にエモーショナル

今の時代にめずらしいガラスの引き戸。おそらくもう替えがきかないであろう昭和ガラス。そして、ゆらめくステンドグラスのランプの光。ここは、最高にエモーショナルな空間。

昭和ガラス
昭和ガラス

ゆらめくステンドグラスのランプの光
ゆらめくステンドグラスのランプの光

木の柱に施された装飾金具も味わい深い
木の柱に施された装飾金具も味わい深い

そんな雰囲気を盛り立てるべくお迎えした金の錠前や緑色のタイルが空間にエッジを効かせています。

金の錠前
金の錠前

緑色のタイル(厨房)
緑色のタイル(厨房)

カフェスペース
カフェスペース

古さと新しさが混ざり合うこの場所で提供される やさしい味わいのおやつとパンは、もうそれだけでスペシャル。のちに小上がり部屋にちゃぶ台を置いて「くつろぎスペース」も誕生させる予定なのだそう。

小上がり部屋でママをたのしむ(?) 女の子
小上がり部屋でママをたのしむ(?) 女の子

替えがきかない昭和ガラス。引き戸の一部に透明なガラスがはめこまれ、いい塩梅で外を眺められるように
替えがきかない昭和ガラス。引き戸の一部に透明なガラスがはめこまれ、いい塩梅で外を眺められるように

メニューはシンプル

メニューはいたってシンプル。ここでは、この空間を愉しみ、カラダを労わることに重きをおいています。

今日のおやつ 「シフォンケーキ」が、この日は600円が500円に 「まるぱん」りんごジャム付き400円 もちろん、すべて松田さんの手づくり
今日のおやつ 「シフォンケーキ」が、この日は600円が500円に 「まるぱん」りんごジャム付き400円 もちろん、すべて松田さんの手づくり

「メニュー 飲み物」 お砂糖・ミルクの「いる」「いらない」は申告制。できるだけ廃棄するものを減らしたい、と松田さん
「メニュー 飲み物」 お砂糖・ミルクの「いる」「いらない」は申告制。できるだけ廃棄するものを減らしたい、と松田さん

“飲み物メニュー”で威力を発揮するデロンギのカプチーノマシン
“飲み物メニュー”で威力を発揮するデロンギのカプチーノマシン

シンプルとは言え、味は本格派。余計なものを入れないってこんなに美味しいんだ、とダイレクトにカラダに溶けていくその感覚を味わうことができます。

ホットコーヒーとシフォンケーキ。マグカップで提供するのは、「おうちのように過ごしてもらいたい」という想いから
ホットコーヒーとシフォンケーキ。マグカップで提供するのは、「おうちのように過ごしてもらいたい」という想いから

シフォンケーキはふわふわでもっちり。
押すと跳ね返ってくるくらい弾力があります。そして驚くほどしっとりで美味。

ふわふわもっちり
ふわふわもっちり

甘くない
甘くない

さらに驚いたのが、この生クリーム甘くないんです。この発想は今までなかった。甘さ控えめのシフォンケーキにからめて食べると、ほわんとした油分のまろやかさだけが生地に纏(まと)わりつき、より水分を含んだかのような みずみずしいシフォンケーキに変身させてくれます。
素材の純度の高さは、ひと口食べるとわかります。カラダのどこにも引っかからない、まるごと栄養になってくれる、松田さんがつくるおやつは、そんなやさしい味わいです。

お客様にご協力いただいて「まるぱん」(りんごジャム付き)と「爽快茶ポット」を撮影させていただきました。使われている茶器もかわいい。
来年1月から、月1回 日曜日「ご褒美ぱんランチ」もはじまる予定。
ランチは予約制となっており、スケジュールの確認は、公式インスタグラム(外部リンク)で、お申し込みは、公式LINE(外部リンク)からお願いします。

また、畑(花音ふぁーむ)で育てた無農薬野菜も不定期で販売予定。
販売日時は、随時インスタグラムで発表がありますので こちらもお見逃しなく。

店主のもうひとつの顔

飄々としながらも、どこか包み込むようなやさしさをもつ松田さん。
「ボタニーペインティング」の講師という肩書もお持ちでした。
Kanon花音 lit.link(外部リンク)

「ボタニーペインティング」とは、天然の葉をキャンバスに貼り付け、アクリル絵の具などで色付けするアートのこと。天然の葉を使うため、ひとつとして同じものはなく唯一無二の作品に仕上がるのが魅力です。

葉脈だけとなった葉を土台に貼り付けペイントした作品。パールのチャームがかわいいアクセントに
葉脈だけとなった葉を土台に貼り付けペイントした作品。パールのチャームがかわいいアクセントに

石膏に蓮の葉をかたどり色付けした作品。大地の息づかいが感じられる
石膏に蓮の葉をかたどり色付けした作品。大地の息づかいが感じられる

「花音 かふぇ」の2階には、松田さんの作品を鑑賞できるアトリエもあり、来年1月から「ボタニーペインティング」のレッスンもスタート。レッスン日は、公式ホームページインスタグラムLINE(外部リンク)の「かふぇ営業のカレンダー」「ご予約可能日」のお知らせがありますので、そちらも要チェックです。

2階のアトリエ
2階のアトリエ

カウンターに1枚の絵が飾られていました。
それは、「大工食堂」がにぎわっていた頃の懐かしい情景。

水彩絵の具で泉州の風景を描かれている古谷 寿雄(ふるや としお)さんの作品
水彩絵の具で泉州の風景を描かれている古谷 寿雄(ふるや としお)さんの作品

時代は変わっていくものなので抗いようがないけれど、こんなふうに受け継がれる温かな営みは、すこしだけ未来をやさしくしてくれるような気がしました。
変化を受け入れながら、変化させない部分を作っていくことの大切さ。

細い路地先にある『エモすぎるカフェ』は、昭和の面影を感じられる素敵スポット。
居心地が良すぎて、つい長居してしまいますよ。

【基本情報】

店名:「花音 かふぇ」
公式HP(外部リンク)
公式インスタグラム(外部リンク)
公式LINE(外部リンク)
住所:泉佐野市新町2丁目2-16
営業日時:木曜・金曜・土曜 12:00~17:00
*2025年1月から月1回 日曜日「ご褒美ぱんランチ」スタート予定(予約制)
駐車場:なし(りんくう北駐車場(無料)または周辺のコインパーキングをご利用ください)
取材協力 「花音 かふぇ」店主 松田 峰子 様
*記事内容は取材当時のものです。
*営業日、アクセス、その他詳細はインスタグラムをご確認ください。
*インスタグラムでは、タイトル写真(路地)のひとつ手前(りんくう北駐車場側)の路地を曲がるアクセス方法が紹介されています。
*お問い合わせはLINEからお願いいたします。

ライター(泉佐野市など)

大阪府泉南市・泉南郡・泉佐野市担当。 なんでもない日々を旅するように暮らす日常写真家。「ローライ35s」という小さなフィルムカメラでささやかな日常を記録しています。私たちのまちのちょっとうれしくなるあんなことこんなこと。みなさまの日常がもっともっと楽しくなりますように。 2023年2月、2023年5月、2024年9月MVA受賞

旅する日々の記憶と記録。matka08の最近の記事