【泉佐野市】希少な『オーガニック食材 量り売り専門店』オープン! 店主のカミングアウトに驚いた...
全国的に広がりをみせている「エシカルショップ」。
エシカルとは、人や社会、地球環境に配慮した倫理的に正しい消費行動の意で、「好きなものを必要な量だけ」買うことができる『量り売り』は、“フードロス削減”を目指す新しいモノの売り方として環境先進国を中心に脚光を浴びています。
また、実際に世界各地で起きている「消費のために誰かが犠牲になる」「安いものを手に入れるために誰かが搾取される」といった問題を踏まえて、積極的に*フェアトレード商品を選ぶ消費行動もそれに他なりません。
*「フェアトレード」とは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、(開発途上国の)立場の弱い生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易の仕組みのこと。
11/11(土)に「古民家ファーム@上之郷」の敷地内にオープンした「HaleLeA(ハレレア)」は、オーガニック食材の量り売りや伝統製法で作られた調味料、生豆の精製に高地の川の清流を利用した無農薬コーヒーなどを提供する “地球環境にやさしいお店”。
「売る」というより「豊かさを巡らせていきたい」という店主の辻野 麻美(つじの あさみ)さんの言葉がとても印象的です。
店名の「HaleLeA(ハレレア)」とは、ハワイ語で「幸せの家」を意味するそう。
地域の人たちが「集い寄り添いあえる場所」となるような温かいお店だということは、入ってすぐに気づきました。
解放感あふれる店内中央には、わいわい団欒もできる大きな木のテーブルがあり、そしてその奥には、伝統製法で作られたカラダにやさしい調味料やハーブティーが並んでいます。
その横には、有機栽培された「ミックスレーズン」や「プルーン」「ドライマンゴー」などの袋入りも。
そして、こちらが見た目にも楽しそうなオーガニック食材の『量り売り』コーナー。
ドライフルーツは栄養価も高く、大きいものはそのまま食べたり、カットしてヨーグルトに入れたりと、お好みで食べ方を選べます。
お菓子作りにも役立ちそうですね!
ローストされたナッツ類はよく見かけますが、こちらは「生」で販売されています。
一般的なナッツ類に使用されている「植物油脂」は、実際のところ何が使われているかはわからないそうです。「生」は酸化しにくいのが特徴で、砕いて料理のトッピングに使ったり、ローストして塩をまぶして食べたりと、いろんな使い方ができるから常備しておくと良さそうです。
ほかにも「ドライジンジャー」6,5円/gや「ダークチョコマカダミアナッツ」10円/g 、「ダークチョコイチジク」8円/g など、そのまま食べても美味しそうなものがズラリと並んでいました。
カカオ分61%のチョコでナッツやドライフルーツがコーティングされたこちらのシリーズは、甘いチョコが苦手な方やダイエット中のおやつにもおススメ。わたしも「ダークチョコマカダミアナッツ」を買って帰りましたが、カカオ香るビターチョコが美味しすぎてポリポリとあっという間に平らげてしまいました。
日本では、あまり馴染みのない『量り売り』のお買いものシステム。
どのようにお買いものをするのか辻野さんに教えていただきました。
商品はすべてグラム単位で販売されています。黒いハンドルを手前に引いてアルミのお皿(店内入って左にあります)に食材を取り出すのですが、この時 “何グラム” かは わからないので、まずは食べたい量を取り出して辻野さんに渡します(計量、計算はすべて辻野さんがしてくださいます)。
取り過ぎても大丈夫〇。必要な量(g)だけ買えるので安心してくださいね。
では、わたしもやってみます。
なんだか、ガチャガチャやアトラクションのようで楽しい~!
おっと!
「こんなことはあるあるです 笑」と辻野さん。(やさしい笑顔にホッと一安心)
アルミのお皿を “取り出し口” に近づけておくと、元気に飛び跳ねることはなさそうです。
ほかにも、レジの背面には辻野さんがセレクトした絵本が飾られていて自由に読んでOKとのこと。
「古民家ファームには、動物たちもいるのでお散歩がてら訪れてくれたお母さんの休憩場所としても活用してほしいと思っています。主人が “ビール好き” なのでお酒もあるんですよ」と辻野さん。
「古民家ファーム@上之郷」にはテニスコートもあるので “クラブハウス的” な感じでプレイ後にくつろいでほしいとも話されます(実際にそんなリクエストもあったとか)。
ゆくゆくはスペースを広げて*「おむつ替え」や「授乳」スペースも設置し、商品も増やしていくそうです。
*現在は奥のスペースで「おむつ替え」のみ使用可能
「実は、お店がまだ4割ほどしか出来上がっていなくて…。今後は和田萬さんのゴマ製品や、料理に便利なスパイス、布ナプキンなども取り扱う予定です。お客様の声に耳を傾けて一緒に進んでいけたらと思っています」。
こんなにも元気はつらつな印象の辻野さんですが、意外にも “ジャンクフードまみれ” の時期があったといいます。
「家が商売をしていて忙しかった影響から、学生の頃はコンビニごはん、ファストフードが当たり前のような生活を送っていました。次第に肌はぼろぼろになり、体調を崩してしまって…」。
今の辻野さんからは想像もできないビックリするようなお話ですが、オーガニックに出逢い、心が明るく前向きになれたことがうれしくて、そのことをみなさんと共有したくて念願のお店をオープンさせたといいます。
優しいものに触れ、豊かさを受け取り、穏やかな場所であれたらと願う「HaleLeA(ハレレア)」。まだ4割ほどしか完成していないというお店もどこか「完璧じゃなくてもいいんだよ。ゆったり生きましょうよ」と言われているようで「HaleLeA(ハレレア)」らしさを感じました。
商品を入れる袋は用意されていましたが、せっかくの『量り売り』専門店なので出来れば “エシカルな買いもの” をしたいところ。
くり返し使える「ジップロック」や「ガラス瓶」などを携えて訪れても楽しそうです。
個人的には、街の人たちが竹かごに素敵な袋やガラス瓶を入れて買いものをする光景が日常になればいいな~と感じています。
生活をしている中で、意図せず「○○さんが興味ありそうな商品」としてポップアップされるネットの品々をついポチってしまった…なんて経験はありませんか?
興味ありそうな…って一体何なんでしょう。
近頃、自分が買っているというより、買わされているなぁと感じることも多くなりました(もちろん、自己責任なのだけれど)。
好きなものを必要な量だけ買うということは、フードロス削減に繋がるだけでなく、“自分の意思で買いものをしている” という満足感にもつながります。そしてそれは無自覚でもあっても、多くの情報の中から自分にとって本当に必要なものだけを選び取る力にもなっていくのではないでしょうか。
当たり前だったことが、当たり前でなくなった今、思わぬ方向へ加速する世の中に「待った!」と声をかけてくれる…「HaleLeA(ハレレア)」はそんな場所だとも感じました。
お客様にそっと寄り添う辻野さんに、その都度「計量」「計算」をするのは大変ではないですか? と尋ねると、「お客様とお話ししたいんです」とにっこり。
辻野さんが放つ “幸せオーラ”(幸せビーム?) は、お買いものをしているこっちまでルンルンしちゃうほどパワフルで、帰る頃には晴れやかな気持ちになっていました。
「Helephcoffee(へレフコーヒー)」(HOT or ICE)は、現在はテイクアウトのみですが、近々店内でもお楽しみいただけるように準備を進めているとのこと。
「『Helephcoffee(へレフコーヒー)』では、生産や精製に関わる全ての人を家族として迎えることをモットーとし、環境保全・雇用支援・フェアトレードによるサスティナブルな地域社会への支援を行っています。カラダにやさしい、自分にやさしい、地球にやさしい、生産者にやさしいものを選ぶことが、めぐり巡って自分の心を豊かにし、幸せにしてくれるのだと感じています」と辻野さん。
安いから…とつい手を伸ばしてしまう “その行動” が、立場の弱い誰かを傷つけていると想うと、「やさしい世界」を創るために日々できることの多さを痛感しました。
「オーガニック食材 量り売り専門店」は、泉州地域ではまだ数件しかなく、とっても希少です。
心穏やかになりたい日は「HaleLeA(ハレレア)」へ。
今日より明日が、少しでも明るくなることを願って。
【基本情報】
店名:「HaleLeA(ハレレア)」
公式インスタグラム(外部リンク)
住所:泉佐野市上之郷2741番1-2 古民家ファーム内(Googleマップ参照)
営業時間:11:00~17:00
定休日:火曜・水曜
駐車場:あり
取材協力 「HaleLeA(ハレレア)」店主 辻野 麻美 様
*記事内容は取材当時のものです。最新情報はインスタグラムをご確認ください。
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