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【泉佐野市】“こんな場所を待っていた!”ヤギのエサやりや農業体験も。「古民家ファーム」で過ごす一日

旅する日々の記憶と記録。matka08ライター(泉佐野市など)

「こんな場所を待っていた!」

口々にみなさんがそう言う場所。ここは「古民家ファーム@上之郷」

「古民家ファーム」とは

今あるものを活かしていくエシカル消費の実践として自然や動物の力を借り、昔ながらの農業へ。上之郷を拠点に合鴨農法のお米作りや農業体験、空き家をリノベーションした飲食店open等の展開を進め、人々のふるさとのように親しまれる場所づくりを目指します。

今回は、ここ「古民家ファーム@上之郷」で食と農の原体験「上之郷フラクタル」というイベントがあると知り、取材に伺った様子をご紹介します。自然栽培で育てたお米の収穫体験(精米体験付き)や、じゃがいもの植え付け体験ヤギやニワトリのエサやり体験などを親子で楽しめるイベントです。

みなさん、どんな一日を過ごされたのでしょうか。

取材日は、台風14号の影響でお天気に不安もありましたが、わたしの心配をよそにオープン前からたくさんの来場者が…。

駐車場はあと数台で満車です。臨時駐車場として「テニスコート」を開放するほどオープンと同時にたくさんの参加者が詰めかけます。

かわいいイラストの案内図が掲示されていました。テニスコートの奥に入場ゲートがあるようです。

ワクワク、ソワソワしたみなさんの様子が伝わり、わたしも高揚感と共に入場ゲートへ向かいます。

手づくりの入場ゲートがかわいい♪

畦道を進むと、まず見えてきたのは合鴨たち。

仲良く並んで泳ぐ姿が愛らしく、来場された方々の注目を浴びていました。

とても美しい羽模様ですね
とても美しい羽模様ですね

「古民家ファーム@上之郷」は、合鴨農法のお米づくりを実践しています。

合鴨農法とは、合鴨のひなを水田に放飼することにより、除草、駆虫、中耕、濁水、稲への刺激効果が得られることが、化学的に証明されている農法。それによって無農薬栽培が可能となり、安心・安全なお米を作ることができるそうです。

かわいい合鴨も鑑賞できて、カラダにいい無農薬のお米が育つなんて一石二鳥ですよね! それにしても美しくかわいい合鴨ちゃんたち。しばらくこの場を離れることができませんでした。

あまり街中で見かけることがないからびっくりしちゃったかな? 

若いおとうさんも楽しまれていました。

「古民家ファーム@上之郷」の入り口に到着。

中に入ると、エサ小屋の前にヤギとニワトリのエサを求める人たちの列が出来ていました。

「ヤギのこうぶつ」200円、「かものこうぶつ」100円
「ヤギのこうぶつ」200円、「かものこうぶつ」100円

恐る恐るだけど、みんな楽しそう♪

わたしもヤギにエサやりをしてみましたが、ヤギの口と舌ってとても柔らかいんです。ぬぼ~っと顔を突き出す姿もどこかユーモラスで愛嬌たっぷりです。

お椀ごと?! ダイナミックですね 笑。

自分でお片付けできてエライね!

ヤギが屋根にのぼる場面にも何度か遭遇しました。「古民家ファーム@上之郷」でのびのびと暮らしている様子が伺えます。

普段は庭で放し飼いされていて、この百日紅にものぼるそうですよ。

ヤギって運動神経がいいんですね!

古民家の入り口になにやら人だかりが・・・。

わたしも中に入ってみたいと思います。

古民家ファーム/自然栽培で育てたお米と野菜の収穫体験(精米体験付き) 受付

農業体験を希望される方は、まずは受付でチケットを購入し、開始時刻まで「食のマーケット」を楽しまれるようです。

オープン間もない時間なのにすごく賑わっています。

みなさん、思い思いの時間をすごされていますね。

あまりの盛況ぶりに11:30スタートの一回目の農業体験が11:40スタートに。

やはり、農作業前にまずは“腹ごしらえ”といったところでしょうか?

大切なことです。

素材からこだわり丁寧に手づくりされた食を楽しんでいただきたい”というコンセプトのもとに5店舗が集結した「食のマーケット」を巡ってみたいと思います。

「ヒトネ味噌」(古民家ファームのお米のおにぎりセット、天然醸造のお味噌、有機栽培梅シロップ)

「古民家ファーム」でとれた無農薬、天日干しのお米を酵素玄米と白米でおにぎりにした「おにぎりセット(おかず3品付き)」700円

オーガニックイチジクとカルダモン香る有機赤ワイン仕上げの「薬膳タルト」350円

お店に伺ったとき、「薬膳タルト」は残りもうわずかに…。人気のようですね!

「ヒトネ味噌」700円~
「ヒトネ味噌」700円~

わたしも「金山寺味噌(黒)」を購入し、冷奴にのせて食べましたが、生姜やパパイヤがゴロゴロ入っていて、香ばしいお味噌の香りにそそられてお箸が止まりませんでした。

「氷楽茶屋 色の雫」(無添加手造りシロップのかき氷)

前回取材させていただいた「氷楽茶屋 色の雫」さんも出店されていました。イベント当日は蒸し暑く、かき氷を食べていらっしゃる方を多くお見かけしました。

“無添加手造りシロップのこだわりのかき氷”、とてもおいしいですよ~♪

「門屋cafe 郷音」(自家焙煎オーガニックコーヒー)

エチオピア スペシャリティ コーヒー豆 100g 800円、200g 1600円
エチオピア スペシャリティ コーヒー豆 100g 800円、200g 1600円

この日は暑さのせいもあり、アイスコーヒーを注文される方が多かったそうです。わたしも取材帰り、車でいただきましたが香り高いオーガニックコーヒーにとても癒されました。

(写真提供「Granjero」)
(写真提供「Granjero」)

「Granjero」(グルテンフリー自家製トルティーヤのサラダラップ、もちもちヘルシー米粉のドーナツ)

なんと1時間で完売したそうで、お伺いした時には商品は0。次の機会にぜひ食べてみたいです。

(写真提供「Granjero」)
(写真提供「Granjero」)

おいしそう~!

「Komugito」(麹×自家製酵母ベーグル)

こちらのお店も大盛況のようです。

商品は残り少なくなっていました。

時刻は11:38。そろそろ「農業体験」がはじまるので移動します。

稲穂が黄金色に輝いていますね!

こちらでは、稲刈り天日干しコンバインの試乗体験をおこないます。

ワクワク、ドキドキの表情が入り混じる子どもたち。初体験に心躍ります。

おかあさんやおとうさんもがんばってます。

刈った稲穂を天日干しへ。

みんな表情は真剣そのもの! 親子、兄弟、力をあわせて挑みます。「楽しい!」と黙々と作業を続ける子どもたち。額に光る汗が、がんばっている証だね!

達成感に満ちた表情をされていますね!素敵なご家族です。

続いてコンバインの試乗です。

スタッフの方のアドバイスのもと、コンバインでの稲刈りに挑戦です。はじめて扱う大きな機械に子どもたちは少し緊張気味。

いい表情してるね!

お父さんの方が緊張してる?

ひとりで挑戦…頼もしいですね!

心配する親御さんをよそに、驚くほど習得が早い子どもたち。毎日食べているお米が手間暇かけて作られていることを知ることは、子どもたちにとって“貴重で有意義な時間”だったのではないでしょうか。

次はじゃがいもの植え付け体験です。畑へ移動します。

じゃがいもを植え付ける畑に到着しました。大きな畑ですね!

スタッフの説明を真剣に聞く子どもたち。果たしてじゃがいもの植え付けはうまくできるでしょうか?

今回植え付けに使うじゃがいもは、“キタアカリ”と“ニシユタカ”です。ほくほくの食感はスープやカレーに向いているのだとか。

まずはタネイモを選びます。どれにしようかな~。

自分の場所を決めて土に埋め込んでいきます。大きなじゃがいもを育てるためには、タネイモを浅めに植え付けるのがポイントだとか。そうするとイモにストレスがかからず大きく育つそうですよ。

「どの辺に植える?」「ここでいい?」

「兄ちゃんどうやってるんやろ・・・?」

「こうやるんやで!」

最後に名札をつけて終了~!

みんなのじゃがいも大きくな~れ!

終了後、スタッフの方にこっそり大きく育てるためのポイントを伺いました。

栄養が分散されないように、茎を1、2本残して間引きするそうです。水はほとんど与えなくても育つのだとか。「あとは、ぼくたちの責任です。しっかり育てないと」と頼もしい笑顔で話してくださいました。

収穫は12月その時期にあわせてイベントも開催されるそうですので今から楽しみですね。

移動中に出遭う様々な植物が、四季を感じさせてくれます。

上之郷の入り組んだ路地やレトロな街並みがあまりにも素敵で、ついブラブラお散歩をしてしまいました。

訪れた際には“植物観察”もおススメです。

これから“精米体験”を見に行きたいと思います。イベントが盛りだくさんで大忙しです 。

収穫したお米の籾殻(もみがら)を「脱穀機」で取り除いていきます。(籾すり)

籾殻が取り除かれたお米は、「玄米」となって下から出てきます。

厳密には、この玄米のぬか層のぬかを取り除いて除去することを「精米」と言います。今回の体験では、玄米の状態でお持ち帰りできるようです。噛めば噛むほど甘くておいしい、栄養たっぷりの玄米。はじめて食べる玄米のおいしさに、子どもたちも驚くのではないでしょうか。

よく噛んで食べてね!

「古民家ファーム@上之郷」には、「テニスコート」もあり、夏は7時~18時冬は7時~17時までご利用いただけます。*照明はありません。

(写真提供 古民家ファーム)
(写真提供 古民家ファーム)

「テニスコート」の詳しい利用方法とお申し込みは「開放的な畑の中のテニスコート」の公式ホームページ(外部リンク)よりご確認ください。

テニスを楽しんだ後は、敷地内にある「古民家ファーム」でひとやすみ。素敵な古民家で自由に休憩できるなんて、フォトスポットとしても使えそうですよね。

食べ物の持ち込みもOKだから、秋の行楽シーズンにお弁当を持ってピクニック気分で訪れてみてはいかがでしょうか?もちろん、今回ご紹介した動物たちもお出迎えしてくれますよ~(エサやり体験もできます♪)。

*エサやり体験と古民家の休憩利用のみでもOK

今回取材をさせていただき、とても驚いたことがあります。

それは、スマホを眺めていた人が一人もいなかったこと。

農機具を持つ我が子を心配そうに見守るおとうさん。

「ぼくにもできたよ!」と得意気な子どもたち。

「一緒にやろう!」と肩を並べる姉妹の姿。

「こういう仕事が好き!」と語ってくれた男の子。

「たくましくなったなー」と涙目で我が子を見つめるおかあさん。

目尻が下がりっぱなしのおじいちゃん。

きらきら輝く参加者のみなさんの表情を見て、“丁寧に暮らすことの大切さ”をあらためて痛感いたしました。

今回ご案内いただいた、 (株) 横須賀不動産鑑定事務所&(株) 古民家ファーム 代表取締役 林 達郎さんにお話をお伺いしました。

「昔、古民家は生活の場であると同時に人々の交流の場として冠婚葬祭などにも活用されていました。昨今、空き家になった古民家の取り壊しが進む中、昔の人が想いを込めて作った屋敷を生かしてあげたい、地域のコミュニケーションの場として活用すれば、みなさんによろこんでいただけるのではないか? という想いから『古民家ファーム』を立ち上げました。また、日々口にしている野菜や肉がどのように育ち、どういった工程で食卓に上るのか、その原点がどうなっているのかを我々は忘れてはいけないと思うんです。“命”を感じることなく消費できてしまう今の時代の子どもたちに、全ての源は小さな卵や種から生まれた“命”であることを感じてもらう『食育の場』としても活用していただきたいです」。

他にも林さんは、生産現場と都市市民との交流の場を作り、“顔の見える農業を目指したい”と話してくださいました。農作物の表面的な見た目にとらわれず、農業体験を通して無農薬で育てること、天日干しのお米の大変さなども感じていただき、自然農法の付加価値などについてご理解いただけるようになればうれしいと。

「次は、新鮮で本当に価値あるものを利用したレストランを作りたい」と林さん。

「古民家ファーム@上之郷」が、これからどのような場所になっていくのか、今後も取材を通してお伝えしていきたいと思います。

参加者のみなさんが「古民家ファーム」で過ごした一日は、とても忙しい一日だったと思います。でも、きっと“命”を慈しみ、生きとし生けるものに感謝する一日でもあったのではないでしょうか。

次回のイベントは12月にじゃがいもの収穫体験を予定しているそうです。

「古民家ファーム@上之郷」にみなさんもぜひ足を運んでみてくださいね。

【基本情報】

スポット名:「古民家ファーム@上之郷」
住所:〒598-0024泉佐野市上之郷2723
公式ホームページ(外部リンク)
公式インスタグラム(外部リンク)
エサやり・ふれあいTime
10:00~16:30
エサやりをしながら、かわいい動物たちとの触れ合いを楽しんでください。
スタッフは農作業であちらこちら回っておりますので応対は難しいですが、自販機で直接買い求めてエサやりなどを体験してください。流しがありますので、エサやりの前後は必ず手を洗ってくださいね。(林さんより)

取材協力 (株) 横須賀不動産鑑定事務所&(株) 古民家ファーム 代表取締役 林 達郎様、ヒトツナギ 代表 渡辺 葉一様

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ライター(泉佐野市など)

大阪府泉南市・泉南郡・泉佐野市担当。 なんでもない日々を旅するように暮らす日常写真家。「ローライ35s」という小さなフィルムカメラでささやかな日常を記録しています。私たちのまちのちょっとうれしくなるあんなことこんなこと。みなさまの日常がもっともっと楽しくなりますように。 2023年2月、2023年5月、2024年9月MVA受賞

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