主な新興国/米国経済ニュース(25日)
GM、2010-2014年型乗用車・トラック約72万台をリコール
米自動車最大手ゼネラル・モーターズ<GM>は23日、新たに全世界で計71万8000台の複数の車種の乗用車・トラックに不具合が見つかったとして、リコール(無償回収・修理)を実施することを明らかにした。米経済専門オンラインメディア、CNNマネーが伝えた。
同社は6月30日に、全世界で約845万台(米国では約755万台)と、1日のリコールとしては過去最大となるリコールの発表以来、3週間ぶりのリコールとなった。
今回、リコールの対象となったのは、米国市場が41万4000台で、運転席の高さ調整装置の不具合が見つかったとして、2010-2012年型の「シボレー・カマロ」や「シェビー・エキノックス」、「GMCテレイン」、「ビュイック・リーガル」、「ビュイック・ラクロス」、「キャデラックSRX」をリコールした。この不具合では運転席の高さが突然、上下したことで、3人が負傷している。ほかに、2014年型「シェビー・インパラ」はパワーステアリングの不具合で5万7000台をリコールしたが、この不具合でも事故が報告されている。
今年に入ってからのGMのリコール台数は前回6月末のリコール時点で、すでに米国だけで2700万台超、また、全世界では約3000万台に達し、過去最高となっており、2004年の自動車業界全体のリコール台数3080万台に接近している。同社の株価は23日、0.93%安の37.41ドルで引けたが、その後の時間外取引では米東部時間午後7時42分時点で、0.24%高の37.5ドルと、やや値を戻している。
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半導体ザイリンクス、2014年4-6月期売り上げ低迷で株価急落
プログラマブルロジックデバイス「FPGA」の開発で知られる米半導体大手ザイリンクス<XLNX>が23日に発表した2014年4-6月期(第1四半期)決算は、純利益は同11%増の1億7360万ドル(約180億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同11%増の62セントとなり、アナリスト予想の61セントを上回った。しかし、売上高は前年比6%増の6億1260万ドル(約620億円)の伸びにとどまり、アナリスト予想の6億3100万ドル(約640億円)を下回った。
さらに、今期(7-9月期)の売り上げ見通しについて、同社は前期(1-3月)比横ばいか4%減との悲観的な予想を示し、アナリスト予想の同2.2%増を下回った。当期の売上高も前期(昨年10-12月)比では1%減と低迷している。
こうした売り上げの低迷や、米金融大手BMOキャピタル・マーケッツは同社の株式投資判断を従来の「アウトパフォーム」から「「マーケットパフォーム(中立)」へ引き下げ、予想適正株価も従来の60ドルから42ドルに引き下げたことから、同社の株価は23日、14.31%安の41.26ドルと急落している。
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フェイスブック、2014年4-6月期純利益2.4倍増―モバイル広告好調で
世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である米フェイスブック<FB>が23日に発表した2014年4-6月期(第2四半期)決算は、純利益が前年比2.4倍増の7億9100万ドル(約800億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同2.3倍増の30セントと、大幅増益となった。また、調整後の1株当たり利益は同2.2倍増の42セントとなり、アナリスト予想の32セントを上回った。
一方、売上高は同61%増の29億1000万ドル(約2960億円)となり、アナリスト予想の28億ドル(約2840億円)を上回った。特に、広告収入は同67%増の26億7600万ドル(約2720億円)となった。広告収入のうち、携帯電話向け広告収入が占める比率も前年前期の41%、また、前期(1-3月)の59%から当期は62%へと、急拡大した。この背景には、6月末時点のモバイルの1カ月当たり利用者数(MAU)が全世界で前年比31%増の10億7000万人、1日当たり利用客数(DAU)も同39%増の6億5400万人に急増したことがある。
この決算発表を受けて、同社の株価は23日、2.92%高の71.29ドルで引けたあと、時間外取引でも、米東部時間午後7時59分時点で、5.51%高の75.22ドルと、急伸している。
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ロシア政府幹部、西側の対ロ制裁による成長率鈍化懸念示す
ロシアのアンドレイ・ベロウソフ大統領補佐官(経済担当)は23日、記者団に対し、旧ソ連・ウクライナ危機に絡んだ米国とEU(欧州連合)による対ロシア経済制裁の国内経済への影響について、「今年のGDP(国内総生産)伸び率がおよそ1%増にとどまる」とし、経済制裁の悪影響は避けられないとの見通しを明らかにした。ノーボスチ通信(電子版)が伝えた。
今月初め、財務省は西側の対ロシア経済制裁で、今年のGDP伸び率は0.2-0.3%ポイント押し下げられると指摘している。また、ロシアのアレクセイ・ウリュカエフ経済発展相も同日、記者団に対し、「西側の経済制裁が国内経済に悪影響を及ぼすことを懸念しており、経済成長の見通しを修正する必要がある」と述べている。
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アジア開銀、インドネシア地熱発電所建設支援で50億円融資へ
アジア開発銀行(ADB)はこのほど、インドネシアの南スマトラ州に建設が予定されている地熱発電所計画を財政面から支援するため、建設主体のシュープリーム・エナジー・ランタウ・デダップに対し、最大5000万ドル(約50億円)を融資することを決めた。ジャカルタ・グローブ(電子版)が24日に伝えた。
同社は仏エネルギー大手GDFスエズとインドネシア地熱発電大手シュープリーム・エナジー、丸紅の3社が共同出資して設立した合弁会社で、同発電所の完成後の発電出力は24万キロワットとなる。運転期間は35年で、すでに同社は2012年にインドネシア国営電力公社PLNに発電した電力を売電する30年契約を結んでいる。
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ベトナムVAMC、外国人投資家に銀行の不良債権売却か
ベトナム中央銀行傘下の銀行不良債権買い取り専門会社(VAMC)は国内銀行が保有している不良債権を迅速に処理するため、7-9月期から銀行から買い取った不良債権を外国人投資家に売却する方向で検討している。地元金融情報サイト、ストックスプラス(電子版)が23日に、地元証券新聞ダウトゥチュンコアンの報道を引用して伝えた。
ダウトゥチュンコアン紙はVAMCの関係筋の話として、これまで外国人投資家への不良債権の売却や不良債権の担保となっている不動産などの譲渡を可能にする法的根拠がないことが国内銀行の不良債権処理を遅らせる要因になっているという。
VAMCは2013年10月11日以降、これまでに計50兆7200億ドン(約2430億円)の不良債権を買い取っている。VAMCでは2014年全体で70兆-100兆ドン(約3360億-4800億円)の買い取りを目指しているが、今年1-6月期の買い取り額はわずか11兆4140億ドン(約550億円)にとどまっている。他方、銀行の不良債権比率は5月末時点で4.07%となっているが、1月末の3.74%、2月末の3.86%、3月末の3.93%、4月末の4.03%と、5カ月連続で上昇している。(了)