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菊池雄星の登板試合でアストロズは9勝0敗。8月以降、チームが全勝の投手は他にもいるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
菊池雄星(ヒューストン・アストロズ)Sep 19, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月19日、菊池雄星(ヒューストン・アストロズ)は、テイラー・ウォード(ロサンゼルス・エンジェルス)に先頭打者ホームランを打たれたものの、その後は得点を許さず、6イニングを投げた。アストロズは、4回裏に1対1の同点に追いつき、8回裏に2点を挙げ、3対1でエンジェルスを下した。

 菊池は、7月29日のトレードにより、トロント・ブルージェイズからアストロズへ移った。菊池がアストロズの投手として初めてマウンドに上がった8月2日以降、アストロズは9試合とも勝利を収めている。ちなみに、その前に投げた7月26日も、ブルージェイズの勝利だ。

 8月1日~9月19日に先発9登板の投手は、菊池を含め、52人を数える。先発10登板以上は皆無だ。

 52人中、このスパンに自身の黒星がない投手は3人。菊池とクリス・セール(アトランタ・ブレーブス)が5勝0敗、ブレイク・スネル(サンフランシスコ・ジャイアンツ)は4勝0敗だ。それぞれが登板した9試合で、ブレーブスとジャイアンツは、どちらも8勝を挙げ、1敗を喫している。

 防御率は、セールとスネルが1.65(54.2イニング)と1.61(50.1イニング)、菊池は3.00(54.0イニング)だ。菊池の防御率は、2人ほどではないものの、移籍前と比べると、1.75も低い。ブルージェイズでは、先発22登板の115.2イニングで防御率4.75だった。

 移籍後は、どの登板も5.1イニング以上を投げ、4点以上を取られたのは、9月7日の6イニング4失点しかない。移籍前後の奪三振率は10.12→11.33、与四球率は2.33→2.17だ。

 なお、対象の投手を、8月以降に先発8登板以上の94人――先発9登板の52人と先発8登板の42人――とすると、このスパンに自身の黒星なしは1人増える。2勝0敗のマーティン・ペレス(サンディエゴ・パドレス)がそうだ。

 菊池と同様に、ペレスも夏のトレードで移籍した。ピッツバーグ・パイレーツでは、先発16登板の83.0イニングで防御率5.20。パドレスに移ってからは、先発8登板の43.0イニングで防御率2.72を記録している。自身の白星は多くないものの、パドレスが負けたのは9月5日だけだ。この日、ペレスは6.1イニングを投げ、得点を許さなかった。

 一方、8月以降にデービス・マーティン(シカゴ・ホワイトソックス)が登板した9試合で、ホワイトソックスはすべて負けている。マーティンは、先発9登板の43.2イニングで防御率4.33。自身は0勝5敗だ。ホワイトソックスは、153試合で36勝しか挙げていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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