イヤイヤで全然寝ない子、スッと寝かせる6つの秘策【専門家解説】
「イヤ!」「違う!」「ぎゃ〜〜〜〜〜!」と毎日訴えられて、親もへとへとになってしまうイヤイヤ期。そうなると寝かせるのも一苦労…どう見ても眠そうな顔しているのに「ねんねイヤ!」「(リビングを指差して)あっち〜!」なんてことも。
私のところにも実は赤ちゃん以外に、このイヤイヤ期の子のママやパパがご相談に来られることも多いです。「2歳の乱」と私は呼んでいますが、2歳前後は乗り越えなきゃいけないものが多いもの。
今までの方法で寝ない
昼寝してくれない
昼寝してくれたと思ったら夜なかなか寝てくれない
そういったことが起こりがちなのがこの時期です。
今回は乳幼児睡眠コンサルタントねんねママが、イヤイヤっ子がなかなか寝ない理由と早く寝かしつける6つの対策をご紹介します。
イヤイヤっ子がなかなか寝ない理由
それまではセルフねんねできていたり、親が手こずることなく寝ていた子が、急にギャン泣きして寝なくなったり、ママがいてくれないと嫌だと言うようになったりと寝つきが悪くなったりすることを私は2歳の乱と呼んでいます。
なぜ2歳の乱が起こるのかというと、成長に伴う4つの理由があります。
①旺盛な発達欲求
2歳前後は発達欲求が旺盛になってくる時期です。
子どもにとっての「遊び」はエンタメという意味合いではなく、身体の動きを自分のものにしていくなど発達したいという欲求のもと遊んでいます。
「遊ぶのが忙しい、発達したい!寝ている場合じゃない!私はもっと起きていられる!」というのが子どもたちの意見です。
大人からみたらもう起きていられる体力が少ないように見えても、体力が完全に尽きるまで遊ぼうとするので昼寝もしませんし、夜も遊びたい!となってしまうんです。
②イヤイヤ期
イヤイヤ期はまだ脳が発達途中で、我慢する力がしっかり育っていません。我慢できるようになるのは4歳以降のため、「もう時間だから眠らなければいけない」という理性的なことを言われても理解できないのです。
寝かしつけられても「遊びたい!」という欲求が勝ってなかなか寝なくなってしまいます。
イヤイヤ期はその仕組みを知ると、精神的にラクになる要素はかなり大きいので解説動画もご紹介しておきます。
③体力がついてくる
2歳前後になると体力がついてきます。0歳のうちは体力も自我もまだあまりないのでスムーズに寝かしつけできていても、どんどん体力がついてくることでこちらが寝てほしいタイミングでは「まだ体力はあるから遊ぶ!」となって寝てくれなくなるのです。
④言葉で伝えられない
まだ十分に言葉を話せないので、「こうだから寝たくない」「これをしてから寝たい」などの説明ができません。上手く自分の事を伝えられず、寝かしつけられると癇癪を起こし覚醒してしまいます。
以上の4つの要因があり、2歳前後はねんねが乱れやすくなるのです。
イヤイヤっ子を早く寝かしつける6つの秘策
ではどうすれば2歳児を早く寝かしつけられるのか、6つのポイントをお伝えします。
①朝はなるべく早く起きて、太陽の光を浴びる
0歳の頃は自然に早く目覚めることが多いですが、2歳前後になるとこちらが起こさなければいけないことが増えます。
遅起きになると昼寝や夜寝る時間も遅くズレていくことになりますので、なるべく7時までに起こすようにしましょう。
起こした後はカーテンを開けてしっかりと光を浴びることで、体内時計がリセットされ脳が目覚め、夜に眠りを誘うホルモンを出してくれます。
②お昼寝を切り上げるタイミングに気をつける
お昼寝は15時頃までに、というのをひとつの目安にしてください。ただ絶対15時までにお昼寝を終わらせねばならないというわけではありません。
15時前後まで遊び続けてしまうことだってありますよね。その場合はお昼寝を短くしてください。例えば17時頃に寝始めた時は30~1時間以内に起こします。1時間以上しっかり寝てしまうと夜なかなか寝なくなってしまうためです。
ただ起こすとぐずぐずで大変になるので、お菓子やおもちゃでご機嫌をとるなど工夫してみてくださいね。
③就寝1時間前にはテレビやスマホなどの画面を見せない
テレビやスマホから発せられているブルーライトおよび動画のコンテンツ(特に動画を選んだりして操作する行動)は覚醒する効果があるため、寝る前はなるべく見せないようにしましょう。
一切禁止するのではなく、ルールを設けるのが大事です。我が家ではお風呂から上がった後は見ないというルールにしています。
④お風呂は就寝の45分〜1時間前に入る
お風呂のタイミングは寝る45分~1時間前にしておくのがおすすめです。入浴直後に寝室に連れていかれても体温が高い状態では眠れません。お風呂に入った後、体温が下がってくるときに眠さを感じやすくなるためです。
またお風呂から上がった後はメラトニンという睡眠ホルモンが出るように、部屋の明かりを暗めにしておくことも大切です。
お風呂上がりは暗めの部屋で過ごし、1時間後の体温が下がった頃に寝室に連れていくことでスムーズに眠りへ誘導してあげるようにしましょう。
⑤就寝ルーティーンをする
寝る前は毎日同じルーティーンをするのが望ましいですが、こうしたい!ああしたい!とぐずる可能性があります。その場合ある程度は受け入れて癇癪スイッチを入れないようにしましょう。
「いいよ、それをやったら歯磨きしようね」など、「いいよ」を一言目にしつつ、臨機応変に対応しながらルーティーンの流れにのせていけるといいですね。
ルーティーンチャートを使うのも一緒に指さし確認できておすすめです。イラストや画像、写真など使いながら壁に寝るまでの流れを貼ってみて下さい。
ルーティーンチャートを確認しながら、「今ここだ」と子どもも楽しんで進めてくれますよ。
⑥いつまでもお話ししない、できれば出ていく
寝室へ行って電気を消したら終了!とすると「寝たくない」という気持ちが出てしまいます。寝る前には楽しいできごとを振り返り、イチャイチャするのは大事です。
ただし寝るまでずっと話していたり、構っていたりすると一向に眠れません。「ママ寝るね」と寝たふりするか、「後で起こしに来るから一旦おやすみね」と部屋を出るなど切り上げましょう。
おわりに
どうしても寝室に行くのが嫌だというならリビングで寝てもいいですし、お出かけ中の車で寝ても構いません。
細かいことにこだわらず、少しでも日中睡眠をとって夜遅くならないように寝る、というリズム作りをママやパパのストレスのない範囲でやっていただければと思います。
また、2歳の乱はよく聞くお悩みです。困ってしまうこともあると思いますが、そういう時期なんだな、うちだけじゃないんだなと気を楽にしてくださいね。
▼YouTubeでもお話しています。