子どもに片づけを教える時に「片づけなさい」じゃダメな理由。無理なく教えるために一番良い方法とは
「このおもちゃを全部捨ててしまったら、どんなに楽になるだろう」と思ったことはありませんか?
私は小中高の4人の子どもを育てています。おもちゃを捨ててしまいたい!と思ったことはこれまで何度もあります。
しかしさずがに全部捨ててしまうわけにはいきません。
そこで今日は私が失敗から学んだ「片づけさない」だけではダメな理由と、子どもに片づけを無理なく教える方法についてです。
なぜ「片づけなさい」ではダメなのか
私はこれまでお母さんたちだけでなく、その家庭の子どもとも接してきました。そのほとんどの子どもが「片づけは面倒くさく大変なもの」と思っています。
その原因の一つが、親から言われ続けた「片づけなさい」という言葉です。
片づけに限らず、私たち大人も「〇〇しないさい」と言われるといやな気持ちになります。しかも「片づけなさい!」と言っている時の親の顔は、絶対に笑っていません。
私も4人の子どもが小さいころ、そのような表情で「片づけなさい」ばかり言っていたので、残念ながら片づけは楽しくないもの、面倒くさいものとして子どもの頭の中にインプットされていた時期がありました。
イラっとする気持ちは本当によくわかるのですが、子育てに必要なのは命令よりアドバイスや提案です。そこで私がやってみた、子どもに片づけを教えるのに最適な方法をお伝えします。
子どもの好きなモノに注目する
子どもに片づけをして欲しいと思うと、散らかっている状態を解消することに目が向きがちです。でも、大人でも後片づけは嫌いな人は多いと思います。
毎日生活をしていると、後片づけは必ず必要ですがいつもそればかりでは面白くありません。
そこで、子どもには自分の一番大切なモノを収納する場所や方法を考えたり、大切なモノを飾ったりすることから始めるのをおススメしています。
例えば、子どもが大事にしているおもちゃ。
大人にとっては散らかる原因にしか見えないかもしれません。
でも「片づけて!」と言ったところで、解決するわけではないので、そのおもちゃの最適な収納を子どもと考えてみましょう。ポイントはあくまでも、親主導ではなく子どもに決定権を与えることです。
ネットで検索ができる子どもであれば、おもちゃの種類や名前・収納と検索してもらえば、たくさんの情報が出てくるでしょう。
100均グッズで考えたいというのであれば、おもちゃの種類や名前・収納・100均などと、追加で情報を入れましょう。
検索し出てきた方法の中から、どれが一番子どもが好きで、(場合によっては親の好みや家の雰囲気も考慮する)出し入れなど管理がしやすいかを親子で考えます。
子どもと最善な方法を探し実行すると、子どもは意外と喜び、そのおもちゃだけでも後片付けをしてくれるものです。
棚全体の収納や部屋全体の収納を考えるのは大変なので、まずは子どもの一番大切なおもちゃの収納から始めましょう。
絵を描いたり、工作など何か作品を作るのが得意な子であれば、作品を飾るコーナーを作ってあげるのはいかがでしょう。
飾るコーナーは、ここだけ!とルールがあれば、その中で最高傑作を飾るよう子どもに選ばせてあげると、子どもは一生懸命作品を選びます。
また、洋服が好きな子は洋服の収納を、髪留めをたくさん持っている子は髪留めの収納を、マンガの好きな子は、マンガの収納を考えたり、おもちゃである必要はないので、是非子どもの大切にしているモノの収納から始めてほしいと思います。
「片づける」「部屋をキレイにする」では、子どもはイメージできない。
「部屋をきれいにしないさい」なんて子どもに言ったところで、子どももどうしてよいかわかりません。ただ、床にあふれているモノを端に寄せたりするだけでしょう。
まずは部屋全体という漠然としたものではなく、子どもの好きなモノ、大切なモノに注目します。
現在、我が家の長男(中3)は自分のモノを大切にすることを教え続けた結果、今では自分の部屋を整えることを楽しむようになりました。
子どもがいると家が散らかることが多く、散らかった状態を解消したくなる気持ちはよくわかりますが、効果的なのは子どもの大切なモノを大切にする方法を考えること。
自分の大切なモノを大切にするのが片づけなのです。
普段は散らかっていることが気になる大人も、余裕がある時はにぜひ、子どもの大切なモノをどうやったら大切にできるかを子どもと考えてみてはいかがでしょうか。
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1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。2012年整理収納アドバイザー1級。CTB生放送102回9年間出演。セミナー回数100回、受講生2000人以上で片づけの概念が変わると高い評価を受けている。
長男との片づけバトルを通して好きなモノを「選ぶ」ことが片づけには大事だと実感。
現在は片づけに興味があるなし関係なく、自分の人生をよりよくしたい人向けに、モノを選び残す楽しさと選ぶことにより暮らしが充実することを発信し、人それぞれが「自分の選ぶ」を楽しむ時代を作るため活動の幅を広げている。
二男二女の母で「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」で暮らしている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』