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“変わり種”の二郎系が大ブーム! 二郎系スパイスラーメン「ネパル麺」が超旨い!

井手隊長ラーメンライター/ミュージシャン
「ミゾグチヤ」(東十条)の「ネパル麺」

二郎系ラーメンのブームは全く終わる気配がない。

「ラーメン二郎」を模したラーメンの総称で、「二郎インスパイア系」ともいう。山盛りの野菜に大きな豚、麺は極太で豚骨スープを合わせる。ボリューミーなラーメンの代表格として、もはやブームを超え、ひとつのジャンルになっている。

ラーメン専門の口コミサイト「ラーメンデータベース」で、東京都の「二郎系」のお店を調べると、何と263軒のお店が出てくる(2024年2月3日現在)。これだけでも驚きだが、さらに驚きなのは閉店・休業してしまったお店の数だ。何とその数は290軒にも上る。

ブームを超えた人気とはいえ、全てのお店が上手くいっているわけではないというのが現状だ。

完全に飽和状態の二郎系だが、最近はちょっとひねった“変わり種”の二郎系を提供するお店がチラホラ出てきている。

火の豚 人形町駅前店
火の豚 人形町駅前店

筆者がいちばん初めに驚いた二郎系の変わり種は東京・人形町にある「火の豚」だ。

「二郎インスパイア×蒙古系」というラーメン界のパワーワードを掛け合わせた革命的な一杯で、二郎系の濃厚豚骨醤油に麻婆豆腐がかかった一品だ。

その名も「フュージョン」。実にいいネーミング。これはネーミング大賞をあげたい。

「火の豚」の「フュージョン」
「火の豚」の「フュージョン」

ドロドロの豚骨スープとかための極太麺の格闘だ。

麻婆豆腐は粘度を強めにしてあるので、いい意味でスープに溶け出さず、好みに合わせて溶きながら食べられるのが良い。

奇跡のコラボにイロモノ感は一切なく、きちんと一杯のラーメンとして完成されている。

ミゾグチヤ
ミゾグチヤ

昨年12月には東京・東十条に「ミゾグチヤ」がオープン。

ここでは二郎系のスパイスラーメン「ネパル麺」が食べられる。

「ミゾグチヤ」の「ネパル麺」
「ミゾグチヤ」の「ネパル麺」

ネパールの漬物「アチャール」を野菜と混ぜ、二郎系ラーメンにトッピング。

麺は国産小麦・ゆめ牡丹にネパール産の穀物「コド」を混ぜて作った、日本蕎麦のような真っ黒な極太麺だ。コドは多くの栄養素を含むスーパーフードとしても知られる。

お好みでマサラとニンニクをプラスして完成。

ネパール産のスーパーフード「コド」の入った真っ黒な極太麺
ネパール産のスーパーフード「コド」の入った真っ黒な極太麺

二郎系の濃厚な豚骨スープにスパイスの香りと刺激が最高に合う。

味が単調にならず、最後まで飽きずに食べられる。麺のワシワシ感やコドのほのかな甘みも特徴的だ。

アチャールのコリコリとした食感が麺のモチモチ感といいコントラストを生む。実に美味しい。

二郎系はスープも麺も強いので、幅広いアレンジができるのが特徴。

二郎系ブームの中で生き残りをかけて、まだまだ新しい二郎系が誕生していくに違いない。

※写真はすべて筆者による撮影

ラーメンライター/ミュージシャン

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。東洋経済オンライン、AERA dot.など連載のほか、テレビ番組出演・監修、コンテスト審査員、イベントMCなどで活躍中。 自身のインターネット番組、ブログ、Twitter、Facebookなどでも定期的にラーメン情報を発信。ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。本の要約サービス フライヤー 執行役員、「読者が選ぶビジネス書グランプリ」事務局長も務める。

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