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ヤンキースの先発投手陣は大丈夫!? パクストンが出遅れ、セベリーノはトミー・ジョン手術で全休

宇根夏樹ベースボール・ライター
田中将大(左)とルイス・セベリーノ Feb 15, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・ヤンキースの先発投手陣に、またもや故障者が発生した。ジェームズ・パクストンが腰の手術を受けたのに続き、ルイス・セベリーノのトミー・ジョン手術が決まった。この2人は、ゲリット・コール田中将大J.A.ハップとともに、ローテーションを形成する予定だった。

 もっとも、痛手ではあっても、パニックに陥る事態ではない。セベリーノはシーズン全休だが、パクストンは早ければ5月に復帰できる。さらに、6月には、ドミンゴ・ハーマンの出場停止も解ける。そうなれば、昨シーズンを凌ぐローテーションになり得る。田中、ハップ、パクストン、ハーマンの4人はそのままで、引退したCC・サバシアと入団したコール――先発5番手とエース――が入れ替わる格好だ。

 そこまでの穴を埋める投手も、ジョーダン・モンゴメリージョナサン・ローアイシーガをはじめ、候補は少なくない。それについては「ヤンキースは新たな先発投手を手に入れるのか。パクストンが手術を受けて出遅れ」「パクストンを欠くヤンキースが、代役候補に新たな投手を追加。防御率は高いが…」で書いた。2018年6月にトミー・ジョン手術を受けたモンゴメリーは、その前年に155.1イニングで防御率3.88を記録した。ローアイシーガの4シームは、最速100マイルに達する。5番手については、オープナーとする方法もある。

 MLB.comのブライアン・ホークによると、セベリーノの離脱後、ブライアン・キャッシュマンGMは「冬の市場は、もう存在しない」と語ったという。チームにいる代役候補を上回るFAは残っておらず、トレードによる入手も困難という意味だろう。これ以上の故障者が出ない限り、ヤンキースが先発投手陣の補強に動くのは(動くとすれば)、7月に入ってからになりそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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