NASAが地球に接近する小惑星の探査に乗り出す!惑星防衛ミッション「OSIRIS-APEX」とは
2029年、小惑星「アポフィス」が地球から約3万kmという近距離を通過することをご存知でしょうか。本記事では、NASAによるアポフィスの探査計画「OSIRIS-APEX」をご紹介します。
■地球に接近する小惑星「アポフィス」
アポフィスは直径340mの小惑星で、東京タワーに相当する高さです。そして、地球から約3万kmの距離を通過すると考えれられています。これは、月までの距離の10分の1であり、地球と月の間を通るほどの近さです。最接近時には肉眼で確認することもでき、天体望遠鏡で表面の様子が観測できると言われています。もしアポフィスが地球に衝突したとすると、広島の原爆の約3万倍のエネルギーである、500メガトンの爆弾と同等の威力との事です。
■オシリスレックスによる小惑星ベンヌのサンプルリターン
アメリカ版の「はやぶさ」であるオシリスレックスは、2016年に打ち上げられた小惑星探査機です。2023年9月に小惑星「ベンヌ」のサンプルを地球へ持ち帰ることに成功しました。このサンプルの分析により、生命の起源や太陽系の形成についての手がかりを得ることが期待されています。
1999年に初めて発見されたベンヌは、直径約500メートルと小さいながらも、その表面には太陽系が形成された約46億年前の物質が保存されていると考えられています。ベンヌの有機物や鉱物は、地球上で生命が誕生するための材料となった可能性があるのです。
■次のミッション「OSIRIS-APEX」が始動!!
そして、ミッションを終えたオシリスレックスは、機体の損傷はほとんどなくまだまだ現役です。そして、次の目的地を小惑星アポフィスとした拡張ミッション「オシリスエイペックス」にその名前が変わりました。
オシリスエイペックスは、2029年4月に地球に最接近するアポフィスに接近し、表面の形状などを観測する予定です。さらに、アポフィスの周りを周回しながらその詳細なデータを地球へ送信します。
アポフィスの表面がどのような景観なのか、今から楽しみですね。
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