宇宙空間にホワイトホールを観測?全物質を放出し続けるホワイトホールはブラックホールと繋がっている?
良く天文ニュースで耳にする「ブラックホール」しかし、その反対の「ホワイトホール」は皆さん良くご存知ないかもしれません。本記事では、全ての物質を放出し続けるホワイトホールの痕跡を観測した事象について解説していきます。
■そもそもブラックホールとは一体どんな天体?
まず、ブラックホールとは一体どんなものかというと、その名の通り「黒い穴」という意味になります。宇宙に穴が空いているの?と思う方もいると思いますが、実はブラックホールも一つの天体なのです。その重力が大きすぎて、そこから光でさえも逃げだしてくることができず真っ黒なため、ブラックホールと名付けられました。
ブラックホールはその強大すぎる重力から、天体をまるでスパゲティのように細長く引きちぎって吸い込む性質があります。これをスパゲティ化現象、もしくはヌードル効果と呼びます。天体が崩壊して飲み込まれる際には、大きな爆発と強力な電磁放射が発生するはずですが、ブラックホールはその光さえも飲み込んでしまうため、はっきり観測することは非常に難しいのです。
■ブラックホールの対となるホワイトホールの痕跡を観測?
何でも飲み込んでしまうブラックホールに対して、あらゆる物質を放出する「ホワイトホール」の存在が仮説として予想されています。
しかし、そのような天体は安定して存在することができず、すぐに消滅してしまいます。そのため、ブラックホールとホワイトホールはつながっており、ワームホールを通して物質が一方通行で流れているのではないかと考えられていました。
そして2006年、NASAは特殊なガンマ線バーストという高エネルギー反応である「GRB 060614」を観測します。これは恒星が一生を終えて爆発する際に発生する信号と考えられており、そこには超新星が必ず見つかっていました。
しかし今回の観測では102秒間のバーストの後、超新星が見つからなかったのです。 これは全くの新しい現象であり、発見当時の理論では説明できませんでした。その結果この現象は、102秒の間ホワイトホールが出現したのではないかと考えられています。
もしブラックホールとホワイトホールが繋がっていたとしたら、あなたも一度は吸い込まれてみたいですか?
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