幻の超巨大ロケット「シードラゴン」スターシップよりも大きい世界最大のロケットになるはずだった
皆さんは世界最大のロケットは何だと思いますか?アポロ計画のサターンVロケットや、スペースXが開発中のスターシップが思い付くかと思います。本記事では、幻の超巨大ロケット「シードラゴン」をご紹介します。
■火星への往還宇宙船として開発がスタート
人類が初めて月面を歩いた1969年から7年前、アメリカでは既に将来の火星有人飛行を見据えた宇宙技術の開発が進められていました。火星への往還となると強力な打ち上げ能力が求められます。そこで、全長150メートル、直径23メートル、重量1.8万トンの規格外な超巨大ロケットの設計が進められていました。
「シードラゴン」と呼ばれたその機体は、経費を下げるために海上から打ち上げられる予定でした。
まず、海岸の造船所で製造されたシードラゴンは、船舶で打ち上げ海域まで曳航されます。そして、原子力空母により電力の供給と燃料の注入を行います。準備が整ったら、シードラドンは水中で垂直に起立し、海面から打ち上げられます。
ロケットは約500トンの貨物を宇宙へ打ち上げられる能力を持ち、もし実現すれば史上最大のロケットとなる予定でした。そして、現在よりもはるかに安い費用で宇宙に貨物を打ち上げられるはずだったのです。
しかし、NASAはシードラゴンに興味を示しましたが、宇宙開発予算が縮小されたことにより、残念ながらシードラゴン計画も終焉することとなりました。海面から登場するシードラゴンを一度は見てみたかったですね。
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