悪魔の核実験「デーモン・コア」 ドライバーを滑らせうっかり核分裂事故が発生、その驚きの実験とは
1940年代の第二次世界大戦中、日本に3個目の核兵器として投下される予定であった核分裂性コアが研究に使われていました。その名も「デーモン・コア」本記事では、戦後に発生した悪魔の核実験「デーモン・コア」 による臨界事故をご紹介します。
■ドライバーを隙間に挟んで臨界状態を防いでいた!?
放射性物質のプルトニウムとガリウムの塊である「デーモン・コア」は、1940年代に核分裂実験に使用されました。 直径約10cm、重さは約6kgです。
このデーモン・コアに中性子反射体であるベリリウムに近づけると、連鎖反応が生じてより多くの核分裂を起こすことができます。 そのため、実験ではデーモン・コアとベリリウムが接触しないよう、マイナスドライバーを隙間に挟んで実験を行っていました。 あまりにも危険な実験方法のため研究者からは、「ドラゴンの尻尾をくすぐるようなものだ」と批判されており、ほとんどの研究者は実験への参加を拒否していたほどでした。
まるで危険フラグのような調節方法ですが、皆さんの予想通り、ドライバーを滑らせてデーモン・コアとベリリウムは接触してしまいます。その際に、大量の放射線と、核分裂反応による「チェレンコフ放射光」のような青い光が見え、研究者たちの体を熱波が貫いたとのことですが、その真偽は現在でも確かめようがありません。
研究者は急いでデーモン・コアを取り外しましたが、そのわずか1秒で致死量の放射線を浴び、9日後に亡くなってしまったのです。 その後も、参加した研究者は神経症がや視覚障害に苦しむ者、被爆との関連が疑われる白血病の発病などが見られました。
皆さんは手元を滑らせず実験ができる自信はありますか?
【関連記事】