AAAで「30-30」の26歳を放出したエンジェルスはもったいない!? 獲得したアストロズは…
先月末、ロサンゼルス・エンジェルスは、トレイ・キャベッジをヒューストン・アストロズへ放出し、交換にカルロス・エスピノーサを獲得した。
キャベッジは、昨年の夏にメジャーデビューした野手だ。年齢は26歳。5月に27歳の誕生日を迎える。昨年は、メジャーリーグの22試合で打率.208と出塁率.232、1本塁打と1盗塁ながら、AAAの107試合で打率.306と出塁率.379、30本塁打と32盗塁を記録した。プロとしてバッテリーと二塁を除く6ポジションを経験しているが、遊撃とセンターはごくわずか。基本的には、内野と外野の両コーナーを守る。
エスピノーサは、22歳の右投手だ。まだ、Aより上のクラスで投げたことはない。昨年は、ルーキークラスとAの計15登板で56.2イニングを投げ、奪三振率11.12と与四球率4.13、防御率4.29を記録した。
エンジェルスは、トレードの数日前に、キャベッジを40人ロースターから外した。これは、リリーバーのマット・ムーアをロースターに入れるためだ。ムーアとの契約については、こちらで書いた。
◆「2度のウェーバー移籍を経て、昨年チーム最多の20ホールドを挙げた左腕がエンジェルスへ戻る」
ムーアとの入れ替えはさておき、AAAで30-30を記録したキャベッジを手放したのは、もったいない気もする。ただ、エンジェルスの一塁と三塁、レフトとライトに空きはない。一塁はノーラン・シャヌエルとブランドン・ドゥルーリー、三塁はアンソニー・レンドーンとルイス・レンヒーフォ、外野両翼にはテイラー・ウォードとミッキー・モニアック、ジョー・アデルがいる。また、マイナーリーグ契約を交わしたミゲル・サノーとハンター・ドージャーは、一塁と三塁を守る。
さらに、キャベッジをロースターから外してから、トレードで放出するまでの間に、エンジェルスは、外野手のアーロン・ヒックスを迎え入れた。マイク・トラウトがセンターからレフトかライトへ移り、ヒックスやモニアックがセンターを守る可能性もある。
一方、アストロズにおいて、キャベッジは、控え一塁手となり得る。
一塁のレギュラーは、ホゼ・アブレイユだ。控えの候補には、ジョン・シングルトンがいる。
昨年、シングルトンは、ミルウォーキー・ブルワーズとアストロズでプレーし、メジャーリーグの36試合で打率.165と出塁率.267、2本塁打と0盗塁、AAAの82試合で打率.289と出塁率.409、22本塁打と1盗塁を記録した。こちらも、AAAのスタッツは優秀ながら、メジャーリーグでは結果を残すことができていない。
ちなみに、メジャーリーグでプレーしたのは8年ぶりだった。現在の年齢は32歳だ。これまでの経緯については、こちらで書いた。
◆「デビュー前に5年契約を手にした元プロスペクトが、8年ぶりにメジャーリーグへ復帰する」
シングルトンは、過去にマイナーリーグで外野を守ったこともあるものの、現在のポジションは、一塁に限られる。この点からすると、キャベッジのほうが汎用性は高い。シングルトンと違い、キャベッジは、代走としても起用できる。
アストロズへ移ったことにより、キャベッジがメジャーリーグでプレーするチャンスは、移籍前より増したように見える。