デビュー前に5年契約を手にした元プロスペクトが、8年ぶりにメジャーリーグへ復帰する
6月3日、AAAから昇格したジョン・シングルトン(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、「6番・一塁」としてスターティング・ラインナップに名を連ねた。
2015年にヒューストン・アストロズで19試合に出場した後、シングルトンは、メジャーリーグから遠ざかっていた。8年ぶりの復帰ということになる。最後の出場は2015年10月2日だったので、もう少し細かく言うと、7年8ヵ月ぶりの復帰だが、長いブランクであることに変わりはない。2015年のシーズンが終わった時点の年齢は24歳。現在は31歳だ。
かつては、プロスペクトと目されていた。アストロズは、2014年6月に、シングルトンと5年1000万ドルの延長契約を交わした。契約の締結がメジャーデビュー前なのかメジャーデビュー後なのかは微妙なところだが、合意に達した時点では、まだメジャーデビューしていなかった。
けれども、シングルトンは、アストロズが期待したのとは、違う道を歩んできた。2014~15年は、メジャーリーグの計114試合で打率.171と出塁率.290、14本塁打、OPS.621。2016年はAAA、2017年はAAでプレーし、2018年1月に薬物違反――2012年の2度に続く3度目――で100試合の出場停止となり、5月にアストロズから解雇された。
2018~19年はどの球団にも在籍せず、2020年はメキシカン・リーグの球団と契約したが、新型コロナウイルスのパンデミックにより、シーズンは中止となった。
2021年は、メキシカン・リーグで46試合に出場。昨シーズンは、ブルワーズ傘下のAAAで134試合に出場し、打率.219と出塁率.375、24本塁打、OPS.809を記録した。今年1月の退団と2月の再入団を経て、シングルトンは、今シーズンもAAAでプレーしていた。昇格までの49試合は、打率.258と出塁率.384、10本塁打、OPS.867だ。
ブランクを経ても、優れた選球眼と水準以上のパワーは、変わっていない。ここ2シーズンのAAAで記録した四球率は20.1%と17.1%、ISOは.215と.225、ホームランのペースは19.0打数/本と17.8打数/本だ。
ブルワーズの一塁には、ラウディ・テレーズがいる。だが、DH出場の多いジェシー・ウィンカーは、首を痛め、先月下旬から故障者リストに入っている。しかも、ここまでの39試合(DH以外の出場も含む)は、打率.204と出塁率.315に過ぎず、ホームランは打っていない。
なお、6月3日の試合で、シングルトンは4打席に立った。結果は、一塁ゴロ、内野安打、外野フライ、外野フライだった。