民主党バイデン候補の外交(7)
イランやイスラエルへの政策を見た。基本的にはオバマの政策の踏襲である。それではバイデンはオバマと全く同じ中東政策を展開するのだろうか。いや違いが予想される点もある。それは、サウジアラビアに対する政策である。オバマは、それまでの政権と同様にサウジアラビアに多額の兵器を売却した。そして2015年にサウジアラビアがイエメンに対する軍事介入を開始すると、その作戦を補給面で支援した。アメリカの支援なしには、サウジアラビアの空軍はイエメンに対する爆撃を続けられない。というのは、兵器や弾薬がアメリカ製であるところから始まって、兵器の保守や爆撃機に対する空中給油のサービスまでアメリカに依存しているからだ。アメリカに、いわば、おんぶにだっこに肩車に乳母車状態でサウジアラビアはイエメン介入を続けているからだ。その親サウジアラビア政策を踏襲して極端にしたのがトランプである。両者に大きな違いはない。
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