民主党バイデン候補の外交(6)
親イスラエル・ロビーの話題が出たところで、次にバイデンのイスラエルとパレスチナに対する政策に話題を移そう。どうなるだろうか。バイデンは、オバマ政権の一員としてイスラエルのパレスチナ占領地へのユダヤ人の入植政策に批判的であった。2009年の発足当時オバマ政権はイスラエルに対して入植の凍結を求めた。イスラエルとアメリカ国内のイスラエル支持勢力の強い反発を受けて、この政策は腰砕けになってしまった。オバマはイスラエルに圧力を掛けるのをあきらめ、代わりにイランとの核合意の成立に外交努力を集中させた。つまり凍結要求を凍結してしまった。もしオバマ政権の前例から判断すれば、バイデンはイスラエルに批判的ではあるが、事を構えて圧力を掛けようとはしないだろう。事実、バイデンは議員時代からイスラエルへの強い支持で知られてきた。自身を「シオニスト」と呼ぶほどである。バイデンの言葉を使えば、「シオニストになるのにユダヤ人である必要はない」である。
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