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ADHD(注意欠如多動症)の女性が仕事で起こすトラブル3選【保育士ママが漫画でわかりやすく解説】

【育児マンガ】夢カナエ保育士 介護福祉士

こんにちは。発達と育児のケアサポーター『夢カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。

神経発達症の一つであるADHD(注意欠如多動症)は、子どもの頃から症状が現れます。

その主な症状には、『多動性』『衝動性』『不注意』があります。

男性に多いのが『多動性・衝動性優勢型』です。

落ち着きがなく、授業中に立ち歩くなどの目立つ行動が多く、周囲に気づかれやすいタイプです。

それに対して女性に多いのが『不注意優勢型』です。

よく物をなくしたり、しょっちゅう忘れ物をするなどのケアレスミスが多く、自分の世界に入って、ボーッとしていることも多いタイプです。

これらの『不注意優勢型』の特徴は、特に勉強が出来る子の場合は、学校では問題にならないことも多く、周りに気づかれにくいのです。

そのため、大人になってからADHDの特徴が目立ち始め、ようやく診断を受けるケースも少なくありません。

今日は、ADHDの女性が社会に出て、仕事で起こしがちなトラブルを、いつものようにイラストを交えて順に紹介していきます。

1.聞き逃しが多い

ADHDの人に聞き逃しが多い理由には、以下の二つが考えられます。

集中力の欠如

数分と集中力が続かないため、上司の話を聞きながらでも、他のことを考えてしまいます。そのため、

「面と向かって話しているのに、話を聞いていない」

などと、しばしば指摘されることがあります。

ワーキングメモリ(作業記憶)が弱い

たとえば仕事の打ち合わせでは、

1.相手の話の中から大事な点を選び

2.それを記憶

3.論点をまとめて整理する

という一連の流れを、頭の中でスムーズに行うことが求められます。

しかし一部のADHDの人は、このようなワーキングメモリーを使う作業が、とても苦手なのです。

この場合時間はかかりますが、メモを見返したり、スマートフォンの録音をあとで聞き返すことで、理解することはできます。

2.最後までやり遂げられない

ADHDの『多動性』が発揮されると、次々にユニークなアイデアが浮かんできます。

そして、自分の考えに熱中しているうちに、『過集中』という極度にのめり込む状態になります。

しかし、いったん集中が途切れると、疲れ果てて何もやる気が起きない状態に陥ります。

このように、せっかくのアイデアがあっても、『実行力』に欠けるのがADHDの特徴です。

会社では、企画担当としてアイデアを出し、実行は他の人が担当するなどの役割分担ができれば、ADHDの良い面を活かすことができるでしょう。

3.会話がかみ合わない

ADHDは ASD(自閉スペクトラム症)を併発することも多く、その場合は相手の気持ちが分からず、自分の言いたいことだけを話すということになりがちです。

これにADHDの三要素『衝動性』『多動性』『不注意』が加わると、場の雰囲気を考えず、思いついたことを、延々を話し続けるようなことになってしまいます。

まとめ

ADHDの女性は、ケアレスミスが続く『不注意優勢型』が多く、大人になって仕事のトラブルで気づく人が少なくありません。

ADHDの特徴である『衝動性』や『多動性』は、日常トラブルの原因にもなりますが、エネルギッシュで活動的という長所でもあります。

会社では、事務的なルーティンワークよりも、新規事業の立ち上げや、新たな取引先の開拓など、独自のアイデアや、他社に勝るバイタリティーが求められる部署が合っています。

ADHDの人の長所と短所が、職場の上司や同僚に理解されることが、個人の幸せと会社の発展につながると考えられます。

保育士 介護福祉士

専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、発達障害の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。子育てに悩む方のために役立つ情報、専門性のあるケアの工夫を、一般の方にも分かりやすいマンガを通して発信していきます。

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