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【発達障害】キノコとこんにゃくが食べられない理由【保育士ママが漫画でわかりやすく解説】

【育児マンガ】夢カナエ保育士 介護福祉士

こんにちは。発達と育児のケアサポーター『夢 カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。

ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害の子は、食べ物の好き嫌いが多いといわれます。

特に発達障害の子が嫌いな食べ物には、『キノコ』と『こんにゃく』が挙げられます。

今日はその理由について、いつものようにイラストを交えて考えてみます。

味や形を変えてもダメ

5歳児のタケルくん(仮名)は、キノコとこんにゃくがどうしても食べられません。

理由を聞くと

「味が苦い」

「口の中でグニュグニュするから」

と言います。

それならと、苦くならないように味付けを変えてみましたが、食べてくれません。

口の中でグニュグニュしないように、小さく刻んだらどうかなと思いましたが、どんなに小さく刻んでも、やっぱり食べてくれません。

見るだけで騒ぎ出す

保育園でも、給食の中にキノコやこんにゃくを見つけると、

「食べたくない!」

と強く嫌がって、騒ぎだすこともあったそうです。

保育園の先生も、どう対応したらいいのか、悩んでいました。

専門家に聞くと

どうしてキノコとこんにゃくだけを、異常に嫌がるのか不思議でした。

そこで、当時通っていた療育の先生に相談してみました。

「発達障害によくある『感覚過敏』が現れているのかもね」

と言われました。

発達障害の特徴として『感覚過敏』があることは知っていたのですが、こんな形で現れるとは思ってもいませんでした。

キノコやこんにゃくの食感が単に嫌いというだけでなく、気持ち悪くなって、吐きそうになるほどの不快感をもたらすこともあるようです。

その感覚がトラウマになって、保育園で『見るだけで騒ぎ出す』という状態になったのかもしれません。

「少しずつ食べられるように」と言わないで

親の気持ちとしては、好き嫌いをなくしてほしいと思って、ついつい、

「少しずつ、食べられるようになろうね」

と言ってしまいます。

単なる食わず嫌いなら、その声かけでもいいのかもしれません。

味付けの工夫で、食べられるようになることもあるでしょう。

しかし、口の中の感覚過敏で、吐きそうになるほどの不快感がある場合は、考え方を変えた方が良さそうです。

「少しずつでも食べようね」

という言葉が、二重の苦痛を増やすことになりかねません。

感覚過敏なのか、食わず嫌いなのか

キノコとこんにゃく以外にも、いろいろと好き嫌いはあります。

その一つ一つが、感覚過敏のせいなのか、単なる食わず嫌いなのかを判断するのは、なかなか難しいですね。

じっくり理由を聞いてみると、本当に食べたら気持ち悪くなるのか、なんとなくまずそうだと思っているのか、嫌いな原因がわかることもあります。

自分でその気になるのを待つ

成長とともに感覚に慣れて、大人になったら、普通に食べられるようになる場合もあります。

発達障害の子育て全般に言えることですが、すぐに結果が出ないからといって焦らないことです。

好き嫌いの克服も、技術の習得も、定型発達の子よりも時間がかかるのは事実です。

じっくりと、長い期間で成長を見守ることで、親も本人もいくらかは気が楽になると思います。

忘れた頃に突然、「食べてみようかな」と言い出して、びっくりさせられる日が来るかもしれませんよ。

保育士 介護福祉士

専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、発達障害の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。子育てに悩む方のために役立つ情報、専門性のあるケアの工夫を、一般の方にも分かりやすいマンガを通して発信していきます。

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