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ADHD(注意欠如多動症)【よくある忘れ物 3選】なぜ多い忘れ物?保育士ママが漫画でわかりやすく解説

【育児マンガ】夢かなえ保育士 介護福祉士

こんにちは。発達と育児のケアサポーター『夢 カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。

ADHD(注意欠如多動症)の人には、忘れ物が多いといわれます。

不注意で忘れ物をすることは、誰にでもあります。

しかし、その忘れ物が日常生活に支障をきたすレベルなのが、ADHDの特徴です。

今日は、ADHDの診断を受けている中学生のEくんのケースから、ADHDの人に多い忘れ物について考えます。

(プライバシーに配慮し、一部創作を加えてあります)

1.自転車の鍵

Eくんは自転車通学をしています。

遅刻ギリギリに学校に着くことも多く、あわてて鍵を抜き忘れることがあります。

遅刻が気になって、鍵を抜く余裕がなくなるようです。

ADHDの特性で、Eくんは一度に複数のことを考えることが苦手なのです。

また、鍵はかけたものの、どこへしまったのか、忘れてしまうことがよくあります。

Eくんには、ADHDのもう一つの特徴として、記憶力が弱いという面があります。

鍵が見つからず、家に帰れなくなって、母親が学校に呼び出されたこともありました。

母親とEくんでいろいろ考えた末、しまう場所をわかりやすく工夫したところ、鍵をなくすことはなくなりました。

2.財布

Eくんは、自分の全財産が入った財布を置き忘れることがよくあります。

大抵は自分の部屋で見つかるのですが、いつも散らかっている彼の部屋で、探し物をするのは、なかなか大変です。

しかし、本人が見つけられなくても、母親には大体しまった場所がわかるようです。

今は母親が見つけてくれますが、自分で決まった位置に片付けることが、Eくんの課題です。

3.傘

「帰りは雨が止んでいたので、うっかり傘を置いてきた」

というのは、誰にでもよくあることです。

しかしEくんは、雨が降っていても、傘を置き忘れてくることがあります。

また、傘を手に持っていながら、さすことを忘れて、ずぶ濡れで帰ってくることもよくあり、母親は驚いています。

雨が降っていると、早く帰ることに夢中になって、傘をさすことを忘れてしまうようです。

このような不注意も、EくんのADHDの特徴です。

母は、せめて朝は傘を忘れることのないように、Eくんが通る場所に傘を置いたり、常時カバンに折り畳み傘を入れておくなどの対策をしています。

ADHDの忘れ物対策

ADHDの子育ては、忍耐の連続です。

どれだけ注意しても、何度でも同じミスを起こします。

忘れ物は、簡単には無くなりません。

ADHDの子は定型発達の子どもに比べると、一つの行動を覚えるまでに時間がかかります。

親の焦りからプレッシャーをかけると、本人にとっては、ミスをなくす努力を続けることが、強いストレスになることがあります。

そこで、本人の努力を要求するだけでなく、自転車の鍵で紹介したような、本人が取り組みやすい工夫を考えることも必要でしょう。

そして、忘れ物がなくなるまでには、ある程度の時間がかかると考えておいたほうが、本人も家族も気持ちが楽になります

保育士 介護福祉士

専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、発達障害の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。子育てに悩む方のために役立つ情報、専門性のあるケアの工夫を、一般の方にも分かりやすいマンガを通して発信していきます。

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