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目標を達成させる人の「空間的思考パターン」

横山信弘経営コラムニスト
(写真:アフロ)

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。長く現場にいると、大きくわけて2種類のタイプの人がいるのだなということがわかってきます。それは、

1)何も言わず、淡々と目標を達成させるタイプ

2)不満や自分を鼓舞する言葉を言いながら、なかなか目標を達成できないタイプ

この2タイプです。

違いはグダグダ言うか言わないかぐらい。1のタイプは何も言わず淡々とやります。したがって「いつの間にか目標を達成していた」「努力せずに結果を出した」と見られがち。2のタイプは、とにかくいろいろと口にします。「無理です」「難しいです」「そもそもこの目標を達成しなければならない理由は何ですか?」といったネガティブ思考の発言だけでなく、「やります!」「頑張ります!」「これからはモチベーション上げて目標を絶対達成させます」などとポジティブ思考の発言も、やたらと口にします。

何を言ってもかまわないのですが、大切なことは目標達成に向けて行動することと考えること。この2つがないのであれば意味がありません。

本気なのか、覚悟が伴っているのか、リスクを冒す勇気があるのか、とか、そういうメディア受けするシャレた表現を使いたがる人はテレビの観過ぎ。ネットで広まる感動秘話に触れ過ぎです。実際に結果を出している人は、もっと淡々としているのです。

私もそうですが、1のタイプの人は、目標を空間的ポジションとして低いところに置いているのではないかと最近、考えるようになりました。「低い」というのは空間的に下のほう、ということです。

スキーやスノーボードの競技で考えれば理解しやすいでしょう。山の頂上にいて、下に位置するゴールへ滑空していく感じです。気合を入れなくても、モチベーションを高めなくても、放っておけば滑っていきます。意図的にブレーキをかけたり、バランスを整えたりするだけで、どんなにスピードは遅くとも、どんなに不恰好でも、とりあえずゴールはします。

山の頂上にいるので、その場所に居続けると不安です。怖いのです。なので、はやめに低いところへ降りて落ち着きたいと考えます。目標未達成のままにいると落ち着かない、はやめに達成したいと考えるのは、こういう心理が働いているからでしょう。

2のタイプは反対に、目標を空間的ポジションとして「高い」ところに置いているのでしょう。登山や今流行のボルタリングのイメージです。ですから、放っておくと現状の場所に居続けることになります。「がんばろう」「重い腰を起こそう」といって自分を鼓舞しなければ上を目指せません。前者と異なり、ストレスをかけて体を動かさない限り、いつまで経ってもゴールに到達しません。また、目標が高い場所にあるとイメージすると、目標に到達することそのものが怖いと受け止めることでしょう。

まとめると、目標に向かって淡々と行動できる人、誰かがストップと言わない限りやり続ける人というのは、目標の空間的場所を、前方の下のほうにイメージしていて、そこに向かって滑っている。目標を達成したいと思っても、なかなか体が動かない人、その目標を達成させる意味や理由をやたらと知りたがる人は、目標が置かれる空間的場所を、前方の上のほうにイメージしている。だから誰かに背中を押されない限り、足を前に出すことができない、ということなのです。

自分が本来いるべき居場所は、「目標を達成している空間的に低い場所である」とイメージすることで、マインドチェンジできるのでは、と思っています。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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