菊池雄星はローテーションに入れるのか。3年6300万ドルで新たな投手が加わる
トロント・ブルージェイズのローテーションに、新たな投手が加わる。ESPNのジェフ・パッサンらが、クリス・バシットと3年6300万ドルで合意、と報じている。
バシットは、30歳にしてメジャーリーグに定着した遅咲きで、来年2月に34歳となる。今シーズンは、181.2イニングを投げ、奪三振率8.27と与四球率2.43、防御率3.42とFIP3.66を記録した。シーズン160イニング以上は初めてながら、規定投球回に達したのは、短縮シーズンの2020年に続く2度目。2019年と2021年は140イニング以上を投げ、ここ4シーズンの防御率は、3.81→2.29→3.15→3.42と推移している。ここ3シーズンのFIPは、いずれも3.50前後だ。シンカーを軸に、ゴロを打たせる投球を持ち味とする。
バシットの加入により、ローテーションの4枠は埋まった。アレック・マノーア、ケビン・ゴーズマン、ホゼ・ベリオスの3人に、バシットだ。
4人とも、今シーズンは170イニング以上を投げ、マノーアは防御率2.24、ゴーズマンは防御率3.35を記録した。ベリオスは防御率5.23に終わったが、昨シーズンは192.0イニングで防御率3.52だった。生え抜きのマノーアは、2019年のドラフト全体11位。ゴーズマンは、昨オフに5年1億1000万ドルで入団した。ベリオスは、昨夏のトレードでミネソタ・ツインズからブルージェイズに移り、数ヵ月後に7年1億3100万ドルの延長契約を交わした。
ローテーションの残る1枠は、菊池雄星とミッチ・ホワイトが候補だろう。菊池は、来シーズンが3年3600万ドルの契約2年目。ホワイトは、今夏のトレードでロサンゼルス・ドジャースから移籍してきた。今シーズンの防御率は5.19と5.45。先発登板の防御率は、どちらも80イニング前後で5.25と5.31だ。菊池は、8月半ばにローテーションから外され、ブルペンに回った。
先発5番手争いには、ネイト・ピアソンも加わるかもしれない。こちらは、2017年のドラフト全体28位だ。メジャーリーグでは2020~21年に計33.0イニングしか投げておらず、今シーズンは広背筋を痛めて長期離脱したこともあり、マイナーリーグから昇格しなかった。ただ、4シームの最速は100マイルに達し、縦に落ちるスライダーは空振りを奪える。リリーバーとして投げる可能性もあるものの、もともとは先発投手だ。
菊池、ホワイト、ピアソンのうち、現時点で先発5番手に最も近いのは、菊池のような気がする。けれども、3人の誰であっても不思議ではない。4番手まで確定したブルージェイズは、カルロス・ロドーンやネイサン・イオバルディには手を出ないだろうが、大ベテランや不本意なシーズンを過ごしたFAの投手と、マイナーリーグ契約や安価な1年契約を交わし、先発5番手の候補を増やすことはあり得る。
また、ブルージェイズには、6月にトミー・ジョン手術を受けたヒョンジン・リュがいる。リハビリが順調に進めば、オールスター・ブレイクの前後あたりに復帰できるだろう。リュは、来シーズンが4年8000万ドルの契約最終年となる。