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【NHL】“氷上のレジェンド” 45歳のヤロミール・ヤーガへ、ラブコールを送ったチームが現れた!!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
オリンピック、世界選手権、NHLで全てチャンピオンに輝いたヤロミール・ヤーガ(写真:ロイター/アフロ)

「オリンピック」「世界選手権」「NHL」

この3つのビッグイベントで全て優勝した者しか入ることのできないトリプルゴールドクラブ

以前にも紹介したとおり、国際アイスホッケー連盟が制定した名誉ある称号で、古今東西、世界中を探しても、わずか「28人(選手27人+コーチ1人)」しかいませんが、その中の一人が、ヤロミール・ヤーガ(45歳・FW)です。

ヤロミール・ヤーガ(Photo : Jiro Kato)
ヤロミール・ヤーガ(Photo : Jiro Kato)

▼氷上のレジェンド

NHLデビューを飾ったルーキーシーズンに「スタンレーカップ」を手にしたヤーガは、チェコ代表の一員として「長野オリンピック」で金メダルを獲得。さらに、2005年の「世界選手権」でもチャンピオンに輝き、15人目のメンバーとして「トリプルゴールドクラブ」に名前を連ねました。

KHLで3季にわたってプレーをしていた時期があったにもかかわらず、通算得点はNHL史上3位。通算ポイント(ゴール+アシスト)ではNHL史上2位の記録を残している、文字どおり「氷上のレジェンド」と呼ぶべき存在です!

▼ヤーガへのラブコール

しかしながら、プロキャリア(NHL&KHL)27季目を終えたこのオフは、在籍していたフロリダ パンサーズから契約を更新しないと通達されただけでなく、他のNHLチームからも「全くオファーがない」と、嘆きのツイートをしていたヤーガ。

しかし、昨日(現地時間)ヤーガへ、ラブコールを送ったチームが現れました!

▼フロリダからのオファー

ヤーガへのオファーは、フロリダから届きました。

と言っても、昨季まで在籍していたNHLのパンサーズではなく、NHLの2つ下のリーグに相当する ECHLのフロリダ エバーブレイズ

フロリダ半島東側のサンライズにホームタウンを置くパンサーズと反対に、西側のエステロを拠点とするエバーブレイズは、1998年に創設されたチーム。

2012年には、アラスカ エイセス(昨季限りで解散)と顔を合わせ、”南北決戦” となったファイナルを制して、ケリーカップ(ECHLの優勝杯)を勝ち取りました。

▼オファーの内容は?

現在は NHLのカロライナ ハリケーンズと、(NHLの一つ下の)AHLのシャーロット チェッカーズのアフィリエイトチームですが、フロリダはコンディションを整える場を提供して、再びNHLでプレーしてもらおう! との強い想いから、ヤーガへオファーを出したわけではありません。

★最高のホッケーファンがいるよ!

★チームは創設20年目のメモリアルイヤーだよ!

★これまでの19季でプレーオフに18回も進んだ強いチームだよ!

★ずっと付け続けている背番号「68」は空いているよ!

★週末だけ出場する契約でもいいよ! etc

フロリダは、オフィシャルサイトを通じ、このような条件を揃えてラブコールを送ったのです。

▼ラブコールを送った真相は?

もちろんヤーガとの契約に至れば、一気に注目度が高まり、新たなスポンサーの獲得にもつながりますが、万一、、、というより、まず来てもらえないことは百も承知の上での動きに、(まず)間違いないでしょう。

なぜなら、このような話題を提供したことで、現地のスポーツメディアが一斉に報じているだけでなく、チームが発信したツイッターのハッシュタグ「#WeWantJagr」が世界各国へ拡散!

またフロリダエリアには、仕事をリタイアしたあと、のんびりと暮らしている方たちも多くいるため、「すごい選手が来るかもしれないなら、時間はあるから試合を観に行ってみるか」 とシーズンチケットの販売にもつながれば、チームにとっては万々歳となるからです。

▼熱狂的なヤーガファンが集結 !?

もしも契約に至れば、世界中から熱狂的な ”ヤーガ・ファン” が、今季はエステロに集結しそうですが、、、

“氷上のレジェンド” は、どんな決断を下すでしょうか?

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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