劣等感につけこむコンプレックス商法 と 劣等感情を解消しようとするカウンセラー。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
私は、プロの心理療法家として独立・開業し、26年目に突入しました。
私は、今も昔も、劣等感情を抱えたクライアントを援助しようと、日々奔走しております。
コンプレックス商法とは、消費者の劣等感を改善させるための商法のことを言います。ここで言うコンプレックスとは、心の中のしこりのことではありません。要求阻止が原因となって抑圧され、無意識のうちに形成され情緒的に強く色づけられた観念の複合体のことでもありません。
コンプレックス商法では、消費者に対し、言葉巧みに、コンプレックス商材と呼ばれるものを売りつけます。
例えば、
「あなたが女性にモテないのは、髪の毛が薄いからです。この育毛剤を使えば、数週間から数ヶ月で、髪の毛がふさふさになりますよ」
「あなたが女性にモテないのは、貧乏だからです。この商材を使えば、ラクして簡単にお金を稼ぐことができますよ」
「あなたに彼氏が出来ないのは、太っているからです。このサプリメントを飲めば、たちどころに痩せますよ」
「あなたに彼氏が出来ないのは、顔が大きいからです。私の整体を受ければ、数回で小顔にすることが出来ますよ」
等々です。
上記のコンプレックス商法は、次のような手法を使うことが多いです。
1.劣等感情を煽り立てる。
「このままじゃヤバいですよ。お先真っ暗ですよ。あなたの大切な人生が損なわれますよ」
2.購買意欲を高める。
「この商品(商材)を買えば、あなたは今の悩みを解消することが出来ますよ」
3.考えるスキを与えない。
「数量限定です。期間限定です。今スグに買わないと手に入れられなくなってしまいますよ」
世の中の商品やサービスというものは、基本、誰かを幸せにしたり、誰かの悩みを解消するものです。よって、それ自体は問題ではありません。ただ、コンプレックス商法の場合は、効果がほとんど期待できないものを高額で販売することが多い…ってところが問題になります。
私のカウンセリングルームにも、劣等感情を抱えた人が訪れることがあります。
彼女らは言います。「私が結婚できないのは、私が太っているからだ。太っているから、私の人生はうまくいかないのだ」と…。
私は間違っても、「いや、そうとは限らないんじゃないですか? 事実、太っている人だって、結婚しているじゃないですかぁ」とは言いません。
私は、「そうですか。〇〇さんは、ご自分が太っているから、男性に縁がないとお思いなのですね」と応えます。
上記の文章を読んで、「太っているのが悩みなら、痩せればいいじゃん。食べる量を減らして、運動すれば痩せるじゃん」と思う人もいるかもしれませんが、痩せるのは、太っていない人にはわからないくらい、大変に難しいことなのです。(涙)
まあ、ダイエットは置いといて、身体的コンプレックスは、自分の努力ではいかんともしがたいところがあります。例えば、目が小さいとか耳が大きいとかは、お化粧で、少しは何とか出来るかもしれませんが、胸が小さいとか肩幅が大きいとかは、ファッションで、少しは何とか出来るかもしれませんが、それだって限度があります。例えば、身長が高いとか低いとか、等々。
私は、劣等感情を持っている人に対しては、話を丁寧にしっかり聴いた上で、優しく落ち着いた声で、努力する大切さと忘れる大切さをお教えすることが多いです。
ちなみに、ラインホルド・ニーバー(アメリカの神学者)氏は、次のようなことをおっしゃっています。
まず原文(英語)です。
God, grant me the serenity to accept the things I cannot change,
Courage to change the things I can, and the wisdom to know the difference.
日本語では、以下のように紹介されています。(訳:大木英夫さん)
神よ。
変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。
忘れるためにはどうすれば良いか?
考えないようにすればいいです。
考えないようにするためには、他事(ほかごと)を考えればいいです。もしくは、何か一心不乱に行動すればいいです。
そして、その他事もしくは行動が、他者貢献や自己成長につながれば最高ですね。
私は、この記事を読んだあなたが、劣等感情に振り回されることのないよう祈っています。どうぞくれぐれもコンプレックスにつけこむ業者の餌食ならないよう、お気をつけください。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。