レンタルできる歩行補助具があるんだよ〜【理学療法士が歩行車をご紹介します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
今回のテーマは歩行車
歩行車は大きく分類すると
- 左右ハンドル型
- 馬蹄型
に分かれます。
本記事では「左右ハンドル型歩行車」について解説していきたいと思います。
左右ハンドル型歩行車の特徴
ハンドルが身体を囲うように湾曲しているタイプの歩行車です。
左右についたグリップを握って操作します。
シルバーカーの持ち手がI字型になっていると表現されるのに対し、歩行車はU字型やコの字型と表現されることもあります。
左右ハンドル型歩行車のタイプ
スリムタイプ
【メリット】
歩行車そのもののサイズがコンパクトで小回りが効きやすく、狭い場所でも扱いやすいです。
軽量で、小さく折り畳めるので、自家用車や公共交通機関の利用で歩行車を収納する必要がある場合にも持ち運びが楽にできます。
【デメリット】
収納スペースは小さいため、荷物をたくさん運搬する目的には向きません。
休憩用の座面の機能としては不十分なものが多いです。
前後左右幅だけでなく、高さも小さめなので、背の高い人には向きません。
ワイドタイプ
【メリット】
前後左右が長く、タイヤも大きくて安定感があります。
タイヤが大きいため、でこぼこ道やちょっとした段差も通行しやすいです。
収納スペースが大きいため、重いものも運搬しやすいです。
また、収納スペースが座面を兼ねており、ゆったりと座って休憩することができます。
【デメリット】
荷物がたくさん収納できる一方、操作する際に重たくなってしまいやすいです。
大きいく安定感がある一方で、小回りが効きづらく、狭い場所では扱いづらいです。
ミドルタイプ
ワイドタイプとスリムタイプの中間サイズになります。
ワイドタイプでは大きすぎる、スリムタイプでは小さすぎるという方は、ミドルタイプをお試しください。
シルバーカーとの違い
使用用途の違い
前回紹介したシルバーカーは「荷物の運搬」「歩行距離が長くなったときに休憩ができる」といった特徴があり、基本的にはシルバーカーを使用しなくても歩ける方が補助的に使用することをおすすめしているとお伝えしました。
一方、歩行車は「歩くことを補助する・支える」目的で使用できます。
U字もしくはコの字となった持ち手のあいだに入ってハンドルを掴むことができるため、腕で体重を支えやすい設計となっています。
手すりなどの支えがなければ歩けないけれど、支えがあれば歩けるという方にも使用していただくことが多いです。
介護保険制度上の違い
介護保険をレンタルすることができる歩行補助具のうち、歩行車はレンタル可能物品に含まれていますが、シルバーカーは含まれていません。
気に入ったシルバーカーを購入される方もおられますが、現場目線ではそのときの身体状況にあった歩行者のレンタルをおすすめしています。
レンタル品であれば、身体機能に合わせてスリムタイプからワイドタイプへ借り換えたり、不要になれば返却することもできます。
レンタルされる機種や介護保険の負担割合にもよりますが、1ヶ月200円〜350円で借りられるものがほとんどなので、レンタルを希望される場合は、担当のケアマネージャーやお近くの地域包括支援センターまでご相談ください。
まとめ
前回ご紹介したシルバーカーと比較しながら、歩行車について解説してきました。
介護保険制度を活用すると、費用負担を抑えることができます。
不要になれば返却できるという点で、処分方法に頭を悩ませる必要もありません。
いつまでも自分の足を使って歩けるよう、身体機能のあった歩行車を選んでたくさんお出かけされる高齢者の方が増えるよう、日々の業務を頑張ります。