身近な高齢者の外出を応援したい!【理学療法士がシルバーカーを解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
今回のテーマは「シルバーカー」です。
シルバーカーの特徴
シルバーカーとは、歩行のサポートをするために押すカートのような形状の手押し車のことです。
持ち手は一本の棒のようになっているものが多く、持ち手と一緒に握れる位置にブレーキがついています。
荷物を入れられる収納スペースや休憩用の座面があるものが多いです。
シルバーカーのタイプ
大きく4種類に分けられます。
コンパクトタイプ
ちょっとした外出に適していて、シンプル・軽量で持ち運びやすいタイプです。
シルバーカーがなくても歩くことのできる歩行レベルの方におすすめしていて、踏切や縁石などのちょっとした段差は持ち上げて移動することもできます。
軽すぎて使用中に前輪が浮いてしまう方は、水の入ったペットボトルなどを重りにしている方もいます。
収納スペースや休憩するための座面スペースは十分ではないため、荷物の運搬を目的とした移動には不向きです。
ミドルタイプ
コンパクトタイプとボックスタイプのちょうど真ん中のサイズのシルバーカーです。
ボックスタイプほどドシっと構えたものでなくてもいいけれど、コンパクトタイプでは収納が足りないという場合におすすめです。
ミドルタイプのシルバーカーの収納スペースは取り外しできるものもあります。使いやすいものを選んでみてくださいね。
ボックスタイプ
なんといっても大型で安定感があり、座面・収納スペースが広いです。
座面にはクッションが敷いてあるものや、肘掛けがついたものもあり、座り心地も申し分ないです。
安定感がある一方で、公共交通機関の利用などで持ち上げる機会が多い場合は重さがデメリットとなることもあります。
アルミワゴンタイプ
デザイン性には欠けますが、シンプルでしっかりとしたタイプです。
スーパーでのお買い物の際に、サービスカウンターにシルバーカーを預けてカートを使っている方をよく見かけますが、アルミワゴンタイプではスーパーのかごをそのまま乗せて店内も移動できるので、お店までの移動とお店の中の移動の両方に活用できます。
シルバーカーの選び方
これまで説明してきたタイプ別のメリット・デメリットをよく理解した上で、使用する方のお身体の状況や使用するシチュエーションにあったものを選びましょう。
大型スーパーの福祉用具コーナーでは、さまざまなタイプのシルバーカーを取り扱っている店舗が多いため、実際に動かしてみて扱いやすいものを選んだり、理学療法士などの専門スタッフへ相談してみてもいいですね。
まとめ
シルバーカーを押しながら外出している高齢者の方を見かけると、いくつになっても好きな時間に好きな場所へ自分で出かけられることは素敵なことだなと感じます。
歩行補助具を使うことは恥ずかしいことではなく、自分らしく過ごすための大切な仲間と捉え、いつまでも元気に健脚でいきいきと過ごす高齢者の方が増えるとうれしいです。